防災・危機管理に取り組む企業が評価される仕組みを構築するために

2012年10月21日日曜日 | ラベル: |

19日(金)東京ビッグサイトの危機管理産業展2012の危機管理セミナー 「BCP への投資と企業の新たな成長モデル」の中で、「防災・危機管理に取り組む企業が評価される仕組みを構築するために」という話をしました。250人定員の会場は満席で補助椅子を出すなど、BCPに対する関心の高さが改めて窺われました。大変残念だったのは金融機関の関係者の出席が極めて少なかったことです。
 なお、セミナーの資料は、GRCジャパン㈱のHPにアップしてありますのでご覧下さい。
GRCジャパン http://www.grc-j.com/

○秋の箱根 千石原  すすき



○同上  コスモス


○「防災・危機管理に取り組む企業が評価される仕組みを構築するために」

 昨日のセミナーで私に与えられたテーマは、下記の3点でした。
  Ⅰ.防災に取組む企業に保険料を下げることは可能か  
  Ⅱ.融資条件にBCPを取入れることは可能か
  Ⅲ.品質管理が普及した理由とBCPが普及しない理由

 Ⅰ,Ⅱについては,既に日本政策投資銀行(DJB)で制度化されています。
 同行のHPを見ますと、「企業経営とその評価は財務的な指標を中心に行われており、一般の金融取引においては、企業の防災・減災や事業継続(=非財務情報)への取り組みを十分に評価できていない。 DBJでは、防災・減災や事業継続への取り組みを行っている先進的な企業や、今後取り組みを推進していくことを考えている企業に対し、金融技術を活かした支援を行っていきたい。」として、「BCM格付融資制度」が記載されています。
 これはDBJが開発した独自の評価システムにより防災及び事業継続対策への取り組みの優れた企業を評価・選定し、その評価に応じて融資条件を設定するというものです。
 これまでの実績や経験に加え、東日本大震災等を踏まえた個別企業への緊急ヒアリングも行い、得られた教訓や事業継続の要諦を踏まえ、評価システムの内容を大幅に見直し、予防だけに留まらず、危機事案発生後の戦略・体制等を含めた企業の事業継続性(=組織レジリエンス)を総合的に評価する内容となっています。

○BCPコンサルティングサービス
「自然災害対応のみならずシステムダウンや新型インフルエンザ等の危機対応のためのBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の策定を民間企業や自治体に対して行う。リスク対応分野における日本政策投資銀行の持つノウハウと日本経済研究所の経験を活かし、お客さまの事業の特色を踏まえ、かつ確実に利用できるBCPを作成する。」と書いてあります。
 更に株式会社損害保険ジャパンと提携し、同社の子会社のNKSJリスクマネジメント㈱が有償で、①BCPの策定・見直し支援、BCM体制構築支援②BS25999-2事業継続マネジメントシステム取得支援③2012年度発行予定の事業継続に係る国際標準ISOの取得支援 のサービスを提供 します。

○震災時復旧資金特約付融資
 「DBJ BCM格付」融資による“地震発生前”の事業継続の為の各種支援に加え、震災時復旧資金特約付融資により“地震発生直後”の復旧資金の提供を行い、お客様の事業継続推進・高度化支援をはかり、 予め定められた条件を満たす大規模な地震が発生した場合、一定金額の復旧資金が支払われます。
 本特約の設定により、企業は、大規模震災発生時における復旧資金の確保、財務の健全性の維持および震災からの速やかな復旧を支援することとなります。
本特約を通じて、企業のみならず、企業が属するサプライチェーン全体への地震の影響を防ぐ効果も期待されます。

○企業費用・利益総合保険割引制度と被災設備修復サービス
  DBJは株式会社損害保険ジャパンと提携、同社が下記サービスを提供させます。
  1.  企業費用・利益総合保険割引制度
    損保ジャパンは、「DBJ BCM格付」取得企業の災害時のリスクをより正確に評価できると判断し、平成24年1月1日以降を始期とする保険契約に対して、「企業費用・利益総合保険 割引制度」の適用可能割引を行います。 「DBJ防災格付」に加えて、損保ジャパン独自の審査も行い、最大で20%の割引を適用を可能とします。
  2. 被災設備修復サービス
    火災、水災などで汚染した建物・機械設備の煙・すす等による災害汚染の調査、汚染除去(※)を行います。
    従来は新品に交換する以外に方法がなかった被災設備を被災前の機能・状態に修復することで、事業の 早期復旧を支援します。
日本政策投資銀行の「BCM格付融資制度」は、防災・危機管理に取り組む企業が評価される仕組みで、防災に取組む企業に保険料を下げ、融資条件にBCPを取入れた、世界でも類の無い融資制度だと記述されています。

 「一般の金融機関・保険会社で防災に取組む企業に保険料を下げることは可能か」については、私は悲観的です。
  1. 保険料については、損害保険会社が自ら企業の策定したBCPを評価し、その結果保険料を下げると言うことは積極的 には行われ難いと思います。
  2. 民間金融機関が企業の策定したBCPを評価する動きもあまり見受けられません。
  3. 「BCPコンサルティングサービス」は企業に取って費用が掛かります。特に中小企業に対しての「BCPコンサルティングサービス」は一般的に費用対効果の関係で行われ難いと思います。
 保険料の割引以前に、わが国の中小企業に取っての最大の問題は地震保険や地震を原因とする利益保険の付保が困難であると言うことです。
 
 「一般の金融機関において融資条件にBCPを取入れることは可能か」についても、私は悲観的です。
  1.  企業の策定したBCPに対する汎用の評価システムはまだありません。日本政策投資銀行のように、独自の評価システムを保有している一般の金融機関は皆無と思われます。
    又これを策定しようとする動きも見受けられません。
  2.  融資先に対し、自行又は関係会社で「BCPコンサルティングサービス」を行うことが可能な金融機関は少なく、又大規模に行う能力も不足していると思われる。特に中小企業 への「BCPコンサルティングサービス」は一般的に費用対効果の関係で行われ難いと思います。
○金融機関の融資先に対するBCPサポートの必要性
 後記のように、東日本大震災における各銀行の損失の殆どは貸倒引当金の計上です。
 融資先に対する 「BCP(事業継続計画)特に、資金繰り(キャッシュフロー)対策」の推進は、金融機関の資産の太宗をなす貸付金債権が、地震等のリスクで毀損することを防止することになます。それはあたかも製造業において工場の耐震工事を行うのと同じことだと思います。
 企業の事業継続は、BCPとキャッシュフロー対策の両輪があってこそ実効性が確保されることを、金融機関も企業の経営者も、改めて認識すべきです。

○東日本大震災における各銀行の損失状況
  1. A銀行    災害による損失  50,687百万円 当期純損失 30,458百万円。
    「災害による損失」には、貸倒引当金繰入額48,847百万円及び固定資産関連損失
    1,023百万円(うち災害損失引当金繰入額848百万円、固定資産処分損170百万円
  2. 銀行    その他の特別損失 6,919百万円  当期純利益 1,109百万円。
    東日本大震災による与信費用6,075百万円及び震災関連のその他費用807百万円
  3. C銀行  災害による損失  5,184百万円  結果 当期純損失 4,955百万円
    貸倒引当金繰入額5,100百万円及び固定資産関連費用84百万円 
  4. D銀行 貸倒引当金繰入額2,898百万円及び減損損失113百万円
    当期純損失 4,834百万円
  5. E銀行  災害による損失  15億円  結果 当期純損失 10億円
    貸倒引当金繰入額1,457百万円及び固定資産関連損失74百万円
○品質管理が普及した理由とBCPが普及しない理由
 昨年7月1日のブログ「QC(品質管理)とリスクマネジメント・戦後のアメリカ流マネ
ジメント手法の導入を振りかえる」を読んで下さい。再度問題点を下記します。
  1. 危機意識の欠如
    QC導入時に比べ、経営者・管理者・社員の危機意識の欠如が根本問題です。QC
  2. 導入にあたり,中心となって推進する強力な団体、リーダーの不在。
  3. 単独部部門の経営管理手法か、全社的経営管理手法か。
    QCは主として製造部門の問題でしたが、BCP・BCMは全社マターであり、縦割りの我が国の企業組織では定着するには問題があります。
  4. 経営者の関与
 経営者自らがリーダーシップを取って全社を挙げてBCP/BCMに真摯に取組むと言う態勢が出来ていない企業がまだまだ存在します。
 
○参考文献 財団法人日本科学技術連盟 「創立50年史」
http://www.juse.or.jp/about/pdf/history/history_50_2.pdf

  ○一橋大学 佐々木聡教授 『戦後日本のマネジメント手法の導入』
『一橋ビジネス レビュー』(東洋経済新報社)2002年秋号


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法律の解釈と適用について 〜法制度と実務の乖離〜

2012年10月10日水曜日 | ラベル: |

 我が国では法制度と実務が乖離している場合が多々あります。欧米から輸入した株式会社法の建前と、我が国の株式会社の実務・実状との甚しい乖離は大きな問題です。ごく最近そのことを痛感しました。

○長崎くんち
 今年、10月7日(日)8日(月)9日(火)は「長崎くんち」です。
 これは長崎の氏神様「諏訪神社」の秋季大祭です。 寛永11年(1634年)が「長崎くんち」の始まりと言われています。 爾来、長崎奉行の援助もあって年々盛んになり、さらに奉納踊には異国趣味のものが多く取り入れられ、江戸時代から絢爛豪華なお祭りとして有名です。私の父は長崎で育ちました。私は一回だけ「長崎くんち」を見物する機会がありました。

○諏訪神社です。



○演しものの一つです。

○取締役の善管注意義務
 取締役の基本的な義務として、会社に対する取締役の善管注意義務と忠実義務があります。
 取締役は、株主総会による選任決議を受けて、会社がこの者に経営を委任し、選任された者がこれを引き受ける(就任を承諾する)ことによって取締役の地位につきます。このように、会社と取締役の間には委任契約が存在し(会社法330条)、会社が委任者、取締役が受任者の関係にあります。
 そこで、取締役は委任契約における受任者として、善良なる管理者の注意をもって業務執行を行う義務を負うことになります(民法644条)。これを、「善管注意義務」といいます。 善管注意義務とは大まかにいえば、『取締役という地位にある者として一般に要求される程度の注意を払って業務を遂行する』ということになります。
 万が一、受任者に専門家としての注意不足があり、そのことにより委任者に損害が発生したときは、受任者は委任者に対して賠償しなければならないということになります。これが、善管注意義務違反による損害賠償です。

○60年前の教え
 私は1952年に京都大学法学部に入学しました。2年目から専門科目の授業が始まりました。今から約60年前、私は民法のゼミナールに所属し、当時新進気鋭の林良平教授からご指導を受けました。今もその教えに従っています。ゼミでは下記のようなことを徹底的に叩き込まれました。
①法律の解釈については、論理的であることは当然であるが、具体的妥当性のある解釈を下すについては、その人の経験・教養が重要である。全人格が解釈に反映するものである。
②法律の適用については、事実関係の確認が極めて重要である。事実の中に法律の解釈を決するものがある。

○何故裁判官を信用するのか

 私は銀行退職後、銀行のお世話で就職した大手製薬会社で、国際化に備えて英会話の個人レッスンを受けましたが、先生のアメリカ人から「刑事裁判において、何故日本人は職業裁判官を信用するのか」と言われました。当時はあまり議論されていなかった、陪審員制度のことです。アメリカ人は、社会の一般常識が刑事裁判の判決に反映されるべきだと思っています。これは民事裁判についても同じことが言えると思います
 判決は裁判の場における正義だと思います。裁判官・検事の一般常識と乖離した法律の解釈や適用についてあまり問題にしない日本人は、何とお人良しなのでしょうか。 私を含め、日本人の殆どは一生裁判に関係しないで済む幸せな(?)国に生きているからだと考えます。

○法制度と実務の乖離
 私の親しい中小企業の元代表取締役専務の方が相談役になられた後に、その会社は民事再生手続きを開始しました。会社は旧代表取締役に対し、善管注意義務違反として巨額の損害賠償を請求して来ました。私はゼミの後輩の弁護士と相談をして対応しました。
 その方は東日本地区の営業を担当する役員として職務に精励していたのですが、東日本地区の或る取引先に対する支援(含む融通手形の交換)がその会社の民事再生手続き開始の原因であるとして、彼の取締役としての善管注意義務違反が問われました。彼は担保範囲を越える支援には終始反対していました。また融通手形の交換については、彼の担当外である西日本地区の業績不振による資金繰りの悪化の糊塗策の結果とみられます。彼は決算粉飾を含め社長や経理担当常務からは何の情報も得ていなかったので、その旨を答弁したのですが、裁判官からは一顧だにされませんでした。
 私も上場会社の取締役・監査役の経験があります。我が国の企業では、担当外の事業の状況について、個々の取締役が実態を承知するのは至難の技です。実際は執行役員の立場でいながら、会社の制度上取締役になっているケースも多いと思われます。
 法律の建前と、実務が大きく乖離している場合でも、法律の解釈としては責任を逃れることは出来ないと思いますが、裁判官が法律の建前だけで、実務の実際に対して一顧だにしない事に彼は非常に傷ついています。全く責任を逃れることは出来ないにしても、裁判官には実情を理解して貰えないのかと嘆いています。
 当時、彼があくまで支援に反対する、或いは会社の状況に対し経理担当常務を詰問すれば、会社では内粉になり、得意先・金融機関の信用を失い、最悪の場合その時点で倒産に至っていたかも知れないと私は思います。結果からみれば,善管注意義務違反でしょうが、割り切れないものがあります。
 もし裁判官がこれらの事情を斟酌しようとすれば、会社経営に対する実務知識が必要になります。それは必要ないいう裁判官の判断だろうと思われます。
 林良平千先生から60年前に教えられた
②法律の適用については、事実関係の確認が極めて重要である。事実の中に法律の解釈を決するものがある
 は、その後会社経営の実務においても、裁判官の判断においても全く改善されることなく、今日に至っていることを痛感致します。
 裁判官からすれば、法律に定められた通りの会社経営をしていないことが問題だということでしょう。然し、多くの会社の取締役会が法律に定められた通りの会社運営をしていないという事実の重みも重大です。法曹界と実務の双方で、何故そうなのか、どうすべきかについてのシリアスな議論がなさるべきだと思います。
 今年1月オリンパスは現旧取締役に対し、巨額の損害賠償訴訟を提起しました。私の経験からオリンパスの多くの現旧取締役の方々に取っては大変酷な話だと思います。役員損害賠償訴訟に関して極めて有能な研究仲間の弁護士さんにその感想を述べました。彼は自分も同感だが、法律的には根拠のあることだからと言っていました。
「我が国の会社経営における、法制度と実務の乖離」特に「善管注意義務違反による損害賠償」の問題は会社に問題が起らなければ我が身に振りかかって来ませんから、現在の取締役の方々は楽観的なのだろうと思います。然し、実は大きなリスクだと考えます。
 次回以降、エンタープライズ・リスクマネジメントとコーポレートガバナンスについて、そのあたりを考えてみたいと思います。


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中小企業基盤整備機構の国際化支援について

2012年10月1日月曜日 | ラベル: |

 中国の現状は進出企業にとって大問題です。先月末、中小企業基盤整備機構にお伺いして、同機構の中小企業向け国際化支援の状況をお聞きして来ました。今回はその内容をご紹介致します。海外へ進出している、或いは進出しようと考えている中小企業に取って、必ずお役に立つことだと確信します。

 10月1日JR東京駅の「丸の内駅舎復原工事」が完成します。しかし台風17号の影響で駅前広場で天皇、皇后両陛下をお迎えして開催予定だった東京駅丸の内駅舎の保存・復元工事の完成式典が中止になったのは大変残念です。私は鉄道が好きで、昭和31年秋の就職活動に際し日本国有鉄道も受検する積りでいましたが、当時のルールで一番早く内定した都市銀行に入りました。昭和39年9月27日東海道新幹線開業の4日前の日曜日,伝手があって東京―大阪間を往復9時間かけて、グリーン車で東海道新幹線全線を試乗しました。鉄道に対する好奇心は今も止み難く、復原工事の完成は誠に喜ばしいことです。

鹿島建設株式会社 HPより







創建時[1914~1945]  ドーム形状 地上3階建 鉄骨煉瓦造

工事着工前 [1947~2007]  寄棟形状 地上2階(一部3階)建 鉄骨煉瓦造

復原後[2012~] ドーム形状 地上3階建・地下2階 鉄骨煉瓦造、RC造(一部S造・SRC造)、免震工法

○中国事業リスク管理ハンドブック(基礎編)(応用編)、
私は中小企業基盤整備機構の平成20年度「中国事業リスク管理ハンドブック(基礎編)」、平成21年度「中国事業リスク管理ハンドブック(応用編)」作成プロジェクトの有識者会議委員長を致しました。そのころ中国では、労働争議の嵐が吹き荒れていました。
 同書の「まえがき」には

「中国において直面するかもしれない多種多様な事業上のリスクに円滑に対処していくことは、中国における事業に関わっている全ての日本企業にとって共通の課題になっています。殊に、大企業とは異なり経営上の各種の資源が限られている中小企業に取っては事業上の各種のリスクへの対応は企業自体の存在にも影響する決定的な重要性を有しています。(中略)
 本書が、中国において事業を展開されている、あるいはこれから展開されようとしている中小企業の皆さんにとって、中国での事業上のリスクに適切に対処していく上でお役に立つものとなれば幸甚です。」
と書かれています。
 この過程で、委員になっておられた中小企業基盤整備機構のアドバイザーの方のご意見をつぶさにお聞きする機会がありました。中小企業基盤整備機構のアドバイザーは、大企業の経営幹部として実務を幅広く経験した方や、中小企業支援の経験を積まれた中小企業診断士・公認会計士・弁護士・税理士など多彩な顔ぶれの方がたが、極めて実務的なアドバイス・支援を行っておられることを実感致しました。現在中国の事業リスクは大変シリアスな状態にあり、進出企業は重大な危機に直面していると思います。こう言う時期にこそ、スタッフも乏しく、また財務基盤も弱い中小企業はこうした制度を活用して危機を乗り越えるべきだと思います。

○中小企業基盤整備機構の国際化支援事業について
 中小企業基盤整備機構の資料によって、国際化支援事業の概略をご紹介致します。

Ⅰ.海外投資、輸出入や海外企業への委託生産など、海外展開で悩んでいる中小企業からの相談に対し個別にアドバイスをする。(無料)

  国別・分野別の専門家(アドバイザー約370名)が相談者の経営状況を踏まえ、海外展開の可否・対象国の剪定・海外向け製品の開発・改良の必要性等、海外進出の初期段階から実現段階まで、経営支援の観点から必要な情報提供・アドバイスを行う。
中小機構本部及び支部でのアドバイスは無料。相談はEメールや電話でも受け付ける。
○平成22年度 国別相談件数・内容
国  別
相談内容別
国  名
  件数 比率 %
相談内容
   比率 %
中  国
1,206
 46



投資環境
  18.4
ベトナム
  322
 12
事業運営
  12.4
 タ  イ
  150
  6
事業手続
  12.2
アメリカ
  140
  5
小  計
  43.0
韓  国
  119
  4
国際取引
47.5
台  湾
   99
  4
業務提携
 6.2
インド
   82
  3
移転・撤退
   0.4
その他
  526
 20
その他
   2.9
2,644
100
 100.0

Ⅱ.海外現地への同行アドバイス(有料:企業負担は専門家謝金の1/3)
  海外現地でのF/S (事業可能性調査)を行う際に、機構の専門家が同行し、立地・環境・許認可・規制・従業員の採用・取引先の開拓などについて実践的なアドバイスを行う。

 Ⅲ.海外への販路開拓支援
  海外への販路開拓を目指す中小企業を対象に、海外展示会及び国内展示会への出展を支援
1.海外展示会への出展支援
・国内の事前準備支援   
  ①アドバイス 無料 
   展示会情報提供・現地マーケット情報・需要動向・商品情報の提供
   商品のブラッシュアップ
  ②実務支援(有料:実費の1/3受益者負担)
   パンフレット・商品カタログ等資料の翻訳等
  ③海外販路拡大ワークショップ(無料)
・出展時支援
  ① アドバイス(無料)
   ブース設営・市場、製品動向・商談契約締結
  ② 出展料(有料)  ジェトロ等主催機関に支払い。
・帰国後の商談フォロー(無料・一部有料)
2.国内で行われる国際展示会への出展支援(無料・一部有料)

Ⅳ.その他
 ・海外展開のためのセミナーや個別相談会の開催。
 ・海外事業展開のキーパーソンの人材養成。中小企業大学校における研修(有料)
 ・海外展開に役立つ施策情報や成功事例などの情報提供。
 ・海外機関との連携により販路開拓支援。

    
 ○中小企業基盤整備機構 国際化支援センター
 http://www.smrj.go.jp/keiei/kokusai/index.html

(まとめ)
 平成22年度の相談件数が2,644件というのは、如何にも勿体ないと思います。この制度をもっともっと周知せしめて、数多くの中小企業が利用すべきだと思います。
 「中国事業リスク管理ハンドブック」策定の経験から、中小企業基盤整備機構のアドバイザーの方のコンサル能力の高さを実感しました。
 なお、中小企業基盤整備機構の支援は国際化以外の分野にも及んでいます。
 ○中小企業基盤整備機構  http://www.smrj.go.jp/index.html



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