「ロンドン五輪を狙っていたサイバー攻撃」

2014年10月12日日曜日 | ラベル: |

10月初めに所用で京都に行き、次いで家族で4日間沖縄へ行って来ましたので、ブログのアップが1週間遅れて申し訳ありませんでした。
 京都では私が学生時代に止宿していた、父の従兄弟の島文次郎(京都大学文学部英文科教授・附属属図書館長)のお墓が法然院旧墓地にありますのでお参りして来ました。法然院旧墓地には谷崎潤一郎や戦前の経済学者河上肇、「老いらくの恋」で有名な川田順のお墓などもあり、併せて拝んで来ました。
  

〇島文次郎・楳乃の墓

台風18号の影響は殆どなく、沖縄はまだ夏でした。
  

〇ムーン・ビーチ

 ロンドン五輪を狙っていたサイバー攻撃

 9月22日(月)に、警察政策学会の「テロ・安保部会」で警察庁の専門家から、「サイバー空間の脅威」についてのお話をお聞きしました。その方がロンドンオリンピックにおけるサイバー攻撃に関する記事をご紹介下さいました。
 「ロンドン五輪を狙っていたサイバー攻撃」
 (株)情報通信総合研究所  グローバル研究グループ 佐藤 仁
http://www.icr.co.jp/newsletter/global_perspective/2013/Gpre2013115.html
 以下はその内容の概略です。
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 「2012年夏のロンドンオリンピックでは、開会式がサイバー攻撃の標的にされていた。」とロンドンオリンピックのサイバーセキュリティ責任者であるOliver Hoare氏がBBCのインタビューで答えています。
 電力のインフラへのサイバー攻撃によってオリンピック開会式の照明が消されてしまったかもしれなかったということです。実際には照明が落とされることはありませんでしたが、世界中で何十億の人が見ているオリンピックの開会式で照明が消えてしまっては一大事です。万が一サイバー攻撃で停電になったとしても、30秒あれば手動で電気は復旧するとOliver Hoare氏は報告を受けていましたが、開会式では30秒の停電でも大パニックになっていた筈です。
 ロンドンオリンピックを標的にしたサイバー攻撃はこれだけではありませんでした。ロンドンオリンピックのサイトは400億のページビューにも耐えられるようになっていましたが、オリンピックのサイトには2週間の開催期間で2億2,100万のサイバー攻撃があったそうです。
 またロンドンオリンピックのCIO(Chief Information Officer)を務めたGary Pennell氏はオリンピック期間中に1億6,500万回のサイバーセキュリティに関わる問題が発生し、CIOのオペレーションセンターに報告されたサイバー攻撃は97件だったと言っています。例えば、オリンピック開催直前の2012年7月26日、東欧からのサイバー攻撃がありましたが、実際に被害はなかったそうです。 
 また、オリンピック開会式(2012年7月27日)での照明システムへの攻撃は40分間続いて、北米や欧州の90のIPアドレスから1,000万のアクセスがありましたが被害はなかったそうです。
2008年の北京オリンピックでは1日に1,400万回のなにかしらの攻撃があったことから、ロンドンオリンピックが開催される前からロンドンではサイバー攻撃が行われると確信しており、それに備えた対策を事前に講じてきたのだそうです。
 サイバー攻撃は政府だけや1企業だけでは対応策することに限界があるので、多くの企業や政府との協力、連携が必要になります。
 サイバー攻撃はこれからも進化していきます。イギリスの前の安全保障・対テロ担当大臣で、現在はイギリス政府でサイバー攻撃対策の特別代表を務めるネヴィル・ジョーンズ上院議員は、2020年に東京で開催される東京オリンピックについて「オリンピックを成功させるためには、日本がサイバー攻撃への対策を強化する必要がある。私たちには豊富な経験がある。」と述べ、2012年のロンドンオリンピックの経験を日本側と共有するなどして協力していく考えを示しておられます。
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【 所 見 】
 今から50年前、東京オリンピック直前の昭和39年(1964年)10月1日(木曜日)に東海道新幹線が開業しました。
 前日まで雨だったお天気は奇跡的に晴れ上がり、昭和39年10月10日(土曜日)の午後、私は住友銀行の人形町支店の中庭から航空自衛隊の「ブルー・インパルス」が青空に描いた五輪を見上げました。
 当時はパソコンもインターネットもなく、ここに記述されているようなオリンピックを狙ったサイバー攻撃など全く考えられない長閑な時代でした。
 9月22日(月)の研究会では、警察庁の専門家に2020年の東京オリンピック開催時の
サイバー攻撃の防禦についての質問が出ました。彼は「過去の事例と今後予想される事態を考慮して万全の対策を講じます。中身については申し上げられません。」と返事をされていました。
 次回は、私たちの身の回りのサイバー攻撃、例えば、「インターネット不正送金事犯」等についてのお話をご紹介致します。
 2020年東京でオリンピックを開催の頃にはどのようなサイバー攻撃が主流になっているのか想像もつきませんが、英国との情報交換や連携はサイバーセキュリティにおいて重要なことだと痛感しました。