✩平成23年度第2四半期損益計算書 (連結) (単位百万円)
平成 23 年度 | 平成 22 年度 | 前年同期 増 減 | |
(23.4.1 - 23.9.30) | (22.4.1 - 22.9.30) | ||
売上高 | 2,502,752 | 2,710,744 | △ 207,992 |
営業利益 (同上率) | △ 60,600 (△ 2.4 %) | 235,808 ( 8.7 %) | △ 296,408 (△ 11.1% ) |
経常利益又は経常損失 (同上率) | △ 105,748 (△ 4.2 %) | 201,381 ( 7.5 %) | △ 307,129 (△ 11.7 %) |
引当金増 | 466 | 1,752 | △ 1,286 |
特別利益 (原子力損害賠償支援機構交付金) (有価証券売却益) | 568,179 ( 543,638 ) ( 24,541 ) | ― ― ― | 568,179 ( 543,638 ) ( 24,541 ) |
特別損失 ( 災害特別損失 ) (資産除去債務会計基準適用に伴う適用額) (原子力損害賠償費) | 1,075,936 (185,028) - ( 890,978 ) | 57,189 - ( 57,189 ) - | 10,198747 ( 185,028 ) (△ 57,189 ) ( 890,978 ) |
当期純利益又は純損失 (同上率) | △ 627,299 (△ 25.1 %) | 92,288 ( 3.4 %) | △ 719,587 (△ 28.5 %) |
月 商 | 417,125 | 451,791 | △ 34,666 |
売上は2,07,992百万円減(7.7%減)の2,502,752百万円です。人件費、修繕費は減少したものの、燃料費の増加を主因に営業利益、経常利益とも大幅な赤字になりました。特別損失は災害特別損失185,028百万円、原子力損害賠償費890,978百万円、計1,075,936百万円を計上し、原子力損害賠償支援機構交付金543,638百万円*1、有価証券売却益24,541百万円を差し引いても当期純損失は613,971百万円の巨額になりました。
*1 東京電力は10月28日付けで原子力損害賠償支援機構法第41条第1項の規定に基づく資金援助の申請を行い、同時に機構と共同して主務大臣に対して特別事業計画の認定を申請し、11月4日に特別事業計画が主務大臣の認定を受けたと公表しています。
第24半期には9月30日に原子力損害賠償支援機構に要賠償額の見通し額663,638百万円の支援を要請し、補償金受入れ額1200億円を控除した543,638百万円を未収原子力損害賠償支援機構交付金として計上しています。
その後今期の要賠償見通し額を1兆109億8百万円と算定、補償金受入れ額1200億円を差し引いた8,909億8百万円の資金の交付が11月4日確定したと公表しました。
今後損害賠償支払額は増加するかも知れませんが、確定したところでは今期は1兆109億8百万円の賠償金が支払われることになります。事務処理は可能なのか。金額はこれで十分なのか。
中間決算の結果、平成23年9月末の自己資本は期初比638,949百万円減少し、963,529百万円になりました。世間では債務超過になるかどうかが問題になっています。後にまた述べますが企業存続の条件は資金繰りです。東証上場廃止基準では連結で1年以上債務超過状態が継続すれば上場廃止です。債務超過になっても企業は存続します。
平成24年3月期の業績の予想も発表されました。それに基いて、一部推測を加え、下期の業績見通しを逆算して見ました。
東京電力は11月1日のプレスリリースで、今冬の需給見通しについて「今冬は安定供給を確保できる見通しですが、電源の計画外停止や急激な気温の変化による需要増加の可能性もあることから、お客さまにおかれましては、無理のない範囲での節電へのご協力をお願いいたします。」と言っています。下期は前年同期比101,504百万円(3.6%)の売上増の計画です。東北電力、関西電力、九州電力などで供給不安が論じられている中で東京電力だけが売上を増やせるのでしょうか。
一方事業の損益は益々悪化する予想です。下期経常損失は294,252百万円とされています。原子力損害賠償支援機構交付金347,270百万円の追加計上で下期は27,299百万円の利益を計上する見込みですが、それでも通期で6,000億円の損失となります。
売上未達の可能性、原子力損害の賠償に関する事務処理費用の増加・福島第一原子力発電所の事故処理費用などを考えれば、損益の見通しは依然暗澹たるものがあります。果たして下期この計画通りに行くのか。
✩業績の見通し (単位百万円)
平成 22 年度実績 | 平成 23 年度 上期実績 | 平成 23 年度 下期見込み | 平成 2 3年度見込み | |
(22.4.1 - 23.3.31) | (23.4.1 - 23.9.30) | (23.10.1 - 24.3.31) | (23.4.1 - 24.3.31) | |
売上高 | 5,368,536 | 2,502,752 | 2,812,248 前年同期比 (+ 101,504 ) | 5,315,000 |
営業利益 (同上率) | 399,624 (7 .4 %) | △ 60,600 (△ 2.4 %) | △ 244,400 (△ 8.7 %) | △ 305,000 (△ 5.7 %) |
経常利益又 は経常損失 (同上率) | 317.,696 ( 5.9 %) | △ 105,748 (△ 4.2 %) | △ 294,252 (△ 10.5 %) | △ 400,000 (△ 7.5 %) |
引当金増他 | - | 13,794 | - | 13,794 |
特別利益 (原子力損害賠償支援機構交付金) (有価証券売却益) | - - - | 568,179 ( 543,638 ) ( 24,541 ) | 347,270 ( 347,270 ) ― | 915,449 ( 890,908 ) ( 24,541 ) |
特別損失 ( 内災害特別損失 ) (原子力損害賠償費) | 1,077,685 (1,020,496) - | 1,075,936 、 (185,028) ( 890,908 ) | 25,719 ( 25,719 ) | 1,101,655 (210,747) ( 890,908 ) |
当期純利益 又は純損失 (同上率) | △ 1,247,348 (△ 23.2 %) | △ 627,299 (△ 25.1 %) | 27,299 ( 1.0 %) | △ 600,000 (△ 11.3 %) |
月 商 | 447,378 | 417,125 | 468,708 | 442,917 |
今回から東京電力のキャッシュフローについて考える予定でしたが第2四半期中間報告書と今期業績見通しの検討で紙数が尽きてしまいました。