素敵な京都の6月その1.2です。
善峰寺 経堂下 さつき HP 「京都の四季」より
|
同上 HP 「京都の四季」より |
○業 績 (連結)
平成 22 年度実績 | 平成 23年度実績 | 前期比増減 | |
(22.4.1 - 23.3.31) | (23.4.1 - 24.3.31) | ||
売上高 | 53,685 | 53,494 | △ 191 |
営業利益又は損失 (同上率) | 3,996 ( 7.4 %) | △ 2,725 (△ 5.1 %) | △ 6,721 (△ 12.5 %) |
経常利益又は損失 (同上率) | 3,177 ( 5.3 %) | △ 4,004 (△ 8.1 %) | △ 7,181 (△ 13.4 %) |
引当金増減 | 61 | 24 | △ 37 |
特別利益 特別損失 | ― △ 10,777 | 25,169 △ 28,679 | 25,169 △ 17,902 |
税金等調整前当期損失 | △ 7,661 | △ 7,538 | 123 |
法人税等 | 4,784 | 228 | △ 4,556 |
当期純利益又は損失 (同上率) | △ 12,473 (△ 23.2 %) | △ 7,816 (△ 14.6 %) | 4,657 ( 8.6% ) |
月 商 | 4,474 | 4,458 | △ 16 |
平成23年度売上高は前期比1910億円減の53,494億円、人件費・経費の圧縮に努めたものの、撚料費の大幅増により営業利益は△2,725億円、経常利益は△4,004億円となっています。
○特別損益内訳 (単位 億円)
項 目 | 平成 23 年度実績 (22.4.1 - 23.3.31) | 平成 23 年度実績 (23.4.1 - 24.3.31) | 増 減 |
特別利益 ① (原子力損害賠償支援機 構交付金) (有価証券売却益) (固定資産売却益) ( 関係会社株式売却益 ) | - - - - - | 25,169 ( 24,263 ) ( 288 ) (416) ( 202 ) | 25,169 ( 24,263 ) ( 283 ) ( 416 ) ( 202 ) |
特別損失 ② ( 災害特別損失 ) (資産除去債務会計基準 適用に伴う適用額) (原子力損害賠償費) (有価証券売却損) (関係会社株式売却損) | 10,777 (10,205) ( 572 ) - - - | 28,679 (2,978) - ( 25,249 ) ( 404 ) ( 47 ) | 17,902 • 7,277 • 572 25,249 404 47 |
① - ② | △ 10,777 | • 3,519 | 7,258 |
特別損失中、原子力損害賠償費は原子力損害賠償支援機構交付金で賄っていて、東日本大震災による損失2,978億円が赤字を拡大させています。
いつも思うことですが、キャッシュフロー計算書では、原子力損害賠償の支払い額は5,663億円となっており、未収原子力損害賠償支援機構交付金が17,627億円も計上されています。折角原子力損害賠償支援機構からの支援が決まっているのですから、残りについても早期に支払われることを希望します。
○ キヤッシュフロー (連結) (単位 億円)
科 目 | 平成 22年度実績 | 平成 23年度実績 | 前年同期比 増 減 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 1,531 | 22,062 | 20,531 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 9,887 | △ 29 | △ 9,916 |
投資活動によるキヤッシュフロー | △ 7,920 | △ 3,351 | 4,569 |
事業のキヤシュフロー | 1,967 | • 3,380 | △ 5,347 |
財務活動によるキヤッシュフロー | 18,596 | △ 6,147 | △ 24,743 |
当期総合キヤッシュフロー | 20,563 | • 9,527 | △ 30,090 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 22,062 | 12,539 | △ 9,523 |
月 商 比 | 4.9 ヶ月 | 2.8 ヶ月 | △ 2.1 ケ月 |
営業活動によるキャッシュ・フローは,前期比9,916億円の大幅悪化です。投資は大幅に削減されていますが、社債償還を主因として財務活動によるキヤッシュフローは△6,147億円です。
○社債・借入金残高推移 (単位 億円)
22.3.31 | 23.3.31 | 24.3.31 | ||
残 高 | 23.3.31 対比 | |||
社 債 | 47,396 | 44,266 | 36,775 | △ 7,491 |
長期借入金 | 16,144 | 34,238 | 32,761 | △ 1,477 |
1 年以内に返済の長期借入金 | 7,476 | 7,748 | 9,325 | 1,578 |
短期借入金 | 3,636 | 4,062 | 4,418 | 356 |
合 計 | 74,652 | 90,314 | 83,279 | △ 7,035 |
上記の残高推移で明かなように、社債減7,491億円が大きくキャッシュフローを悪化させています。長期借入金と1年以内に返済の長期借入金の合計額は101億円増加しています。これは平成23年3月31日期末の1年以内に返済の長期借入金7,748億円を返済後7,849億円を改めて借り入れていることを意味します。短期借入金も356億円増加しています。金融機関は引続き貸出を継続して残高を維持しています。
問題は社債の償還です。資金調達にあたり社債に対する依存度が大きいと事故災害発生時に、社債の償還がキャッシュフロー悪化の大きな要因となります。その結果大事な現預金は9,523億円の大幅減となっています。
○来期業績見込み (単位 億円)
平成 23年度実績 | 平成 24 年度見込 | 前期比増減 | |
(23.4.1 - 24.3.31) | (24.4.1 - 2 5 .3.31) | ||
売上高 | 53,494 | 60,250 | 6,756 |
営業利益又は損失 (同上率) | △ 2,725 (△ 5.1 %) |
△ 2,350
(△ 3.9 %)
| 375
( 1.2 %)
|
経常利益又は損失 (同上率) | △ 4,004 (△ 8.1 %) | △ 3,550 (△ 5.9 %) | 454 ( 2.2 %) |
当期純利益又は損失 (同上率) | △ 7,816 (△ 14.6 %) | △ 1,000 (△ 1.7 %) | 6,816 ( 12.9% ) |
月 商 | 4,458 | 5,021 | 563 |
前回の繰り返しになりますが、
① 家庭用電気料金の値上げを前提としているが、どの程度認められるかは現状不明。
② 廃炉費用については、「現段階では、各(廃炉)工程の具体的な費用の積上げによる総額の見積りは困難である。」とされている。
③ 除染費用については添付資料に、「法律に基づく具体的な実施内容を把握出来る状況になく、賠償額を見積もることが出来ないから計上しない」と記載されていて、平成23年3月期の実績の記載も無い。
等の問題点があり、来期業績の見通しを検討することは困難です。
廃炉費用・除染費用・原子力損害賠償の事務経費等を何処まで国が負担するのか、発送電を分離するのかなど、根本的な議論を行った上で対処しなければ東京電力の再生は困難だと思います。依然前途は暗澹たるものがあります。