中小企業基盤整備機構の国際化支援について

2012年10月1日月曜日 | ラベル: |

 中国の現状は進出企業にとって大問題です。先月末、中小企業基盤整備機構にお伺いして、同機構の中小企業向け国際化支援の状況をお聞きして来ました。今回はその内容をご紹介致します。海外へ進出している、或いは進出しようと考えている中小企業に取って、必ずお役に立つことだと確信します。

 10月1日JR東京駅の「丸の内駅舎復原工事」が完成します。しかし台風17号の影響で駅前広場で天皇、皇后両陛下をお迎えして開催予定だった東京駅丸の内駅舎の保存・復元工事の完成式典が中止になったのは大変残念です。私は鉄道が好きで、昭和31年秋の就職活動に際し日本国有鉄道も受検する積りでいましたが、当時のルールで一番早く内定した都市銀行に入りました。昭和39年9月27日東海道新幹線開業の4日前の日曜日,伝手があって東京―大阪間を往復9時間かけて、グリーン車で東海道新幹線全線を試乗しました。鉄道に対する好奇心は今も止み難く、復原工事の完成は誠に喜ばしいことです。

鹿島建設株式会社 HPより







創建時[1914~1945]  ドーム形状 地上3階建 鉄骨煉瓦造

工事着工前 [1947~2007]  寄棟形状 地上2階(一部3階)建 鉄骨煉瓦造

復原後[2012~] ドーム形状 地上3階建・地下2階 鉄骨煉瓦造、RC造(一部S造・SRC造)、免震工法

○中国事業リスク管理ハンドブック(基礎編)(応用編)、
私は中小企業基盤整備機構の平成20年度「中国事業リスク管理ハンドブック(基礎編)」、平成21年度「中国事業リスク管理ハンドブック(応用編)」作成プロジェクトの有識者会議委員長を致しました。そのころ中国では、労働争議の嵐が吹き荒れていました。
 同書の「まえがき」には

「中国において直面するかもしれない多種多様な事業上のリスクに円滑に対処していくことは、中国における事業に関わっている全ての日本企業にとって共通の課題になっています。殊に、大企業とは異なり経営上の各種の資源が限られている中小企業に取っては事業上の各種のリスクへの対応は企業自体の存在にも影響する決定的な重要性を有しています。(中略)
 本書が、中国において事業を展開されている、あるいはこれから展開されようとしている中小企業の皆さんにとって、中国での事業上のリスクに適切に対処していく上でお役に立つものとなれば幸甚です。」
と書かれています。
 この過程で、委員になっておられた中小企業基盤整備機構のアドバイザーの方のご意見をつぶさにお聞きする機会がありました。中小企業基盤整備機構のアドバイザーは、大企業の経営幹部として実務を幅広く経験した方や、中小企業支援の経験を積まれた中小企業診断士・公認会計士・弁護士・税理士など多彩な顔ぶれの方がたが、極めて実務的なアドバイス・支援を行っておられることを実感致しました。現在中国の事業リスクは大変シリアスな状態にあり、進出企業は重大な危機に直面していると思います。こう言う時期にこそ、スタッフも乏しく、また財務基盤も弱い中小企業はこうした制度を活用して危機を乗り越えるべきだと思います。

○中小企業基盤整備機構の国際化支援事業について
 中小企業基盤整備機構の資料によって、国際化支援事業の概略をご紹介致します。

Ⅰ.海外投資、輸出入や海外企業への委託生産など、海外展開で悩んでいる中小企業からの相談に対し個別にアドバイスをする。(無料)

  国別・分野別の専門家(アドバイザー約370名)が相談者の経営状況を踏まえ、海外展開の可否・対象国の剪定・海外向け製品の開発・改良の必要性等、海外進出の初期段階から実現段階まで、経営支援の観点から必要な情報提供・アドバイスを行う。
中小機構本部及び支部でのアドバイスは無料。相談はEメールや電話でも受け付ける。
○平成22年度 国別相談件数・内容
国  別
相談内容別
国  名
  件数 比率 %
相談内容
   比率 %
中  国
1,206
 46



投資環境
  18.4
ベトナム
  322
 12
事業運営
  12.4
 タ  イ
  150
  6
事業手続
  12.2
アメリカ
  140
  5
小  計
  43.0
韓  国
  119
  4
国際取引
47.5
台  湾
   99
  4
業務提携
 6.2
インド
   82
  3
移転・撤退
   0.4
その他
  526
 20
その他
   2.9
2,644
100
 100.0

Ⅱ.海外現地への同行アドバイス(有料:企業負担は専門家謝金の1/3)
  海外現地でのF/S (事業可能性調査)を行う際に、機構の専門家が同行し、立地・環境・許認可・規制・従業員の採用・取引先の開拓などについて実践的なアドバイスを行う。

 Ⅲ.海外への販路開拓支援
  海外への販路開拓を目指す中小企業を対象に、海外展示会及び国内展示会への出展を支援
1.海外展示会への出展支援
・国内の事前準備支援   
  ①アドバイス 無料 
   展示会情報提供・現地マーケット情報・需要動向・商品情報の提供
   商品のブラッシュアップ
  ②実務支援(有料:実費の1/3受益者負担)
   パンフレット・商品カタログ等資料の翻訳等
  ③海外販路拡大ワークショップ(無料)
・出展時支援
  ① アドバイス(無料)
   ブース設営・市場、製品動向・商談契約締結
  ② 出展料(有料)  ジェトロ等主催機関に支払い。
・帰国後の商談フォロー(無料・一部有料)
2.国内で行われる国際展示会への出展支援(無料・一部有料)

Ⅳ.その他
 ・海外展開のためのセミナーや個別相談会の開催。
 ・海外事業展開のキーパーソンの人材養成。中小企業大学校における研修(有料)
 ・海外展開に役立つ施策情報や成功事例などの情報提供。
 ・海外機関との連携により販路開拓支援。

    
 ○中小企業基盤整備機構 国際化支援センター
 http://www.smrj.go.jp/keiei/kokusai/index.html

(まとめ)
 平成22年度の相談件数が2,644件というのは、如何にも勿体ないと思います。この制度をもっともっと周知せしめて、数多くの中小企業が利用すべきだと思います。
 「中国事業リスク管理ハンドブック」策定の経験から、中小企業基盤整備機構のアドバイザーの方のコンサル能力の高さを実感しました。
 なお、中小企業基盤整備機構の支援は国際化以外の分野にも及んでいます。
 ○中小企業基盤整備機構  http://www.smrj.go.jp/index.html