「A Risk  Management  Standard」について ⑤ 4.リスク分析、4.2 リスクの説明、4.3 リスクの算定、4.4 リスク分析手法

2013年5月20日月曜日 | ラベル: |

 拙宅のバラは5月上旬が満開です。
 
 

 
 



 「A Risk  Management  Standard」
4.リスク分析
4.2 リスクの説明
 リスク説明の目的は、特定されたリスクを、表を用いる等体系化されたフォ-マットにより表示することである。リスクの説明・アセスメントを円滑に行うため、以下の表を利用するのもひとつの方法である。総合的なリスクの特定・説明・アセスメントのプロセスには、十分に設計された制度が必要である。表に記載されている各リスクの結果及び発生確率を検討することにより、より詳細な分析を要する主要リスクの優先順位をつけることができるであろう。事業活動や意思決定に関するリスクの特定に関しては、戦略、プロジェクト・戦術、業務等に分類することができる。プロジェクトの構想段階及び特定のプロジェクトについてはプロジェクト期間全体を通シテリスク・マネジメントを取り入れることが重要である。

4.2.1 リスクの説明 

4.3 リスクの算定
 リスクの算定は、発生の確率及び起こりうる結果について数量的、標準量的又は定性的手法により行うことができる。

 
例えば,脅威(ダウンサイド・リスク)、機会(アップサイド・リスク)双方につきその結果が高、中、低に分類される(表4.3.1を参照)、発生確率も高、中、低と分類されるが、しかし脅威・機会に関しては別の定義が必要となる。(表4.3.2及び表4.3.3を参照)

 以下の表に具体例を示す。組織によって異なる結果・発生確率の測定基準を適用することがわかるであろう。
 例えば、多くの組織にとって、結果及び発生確率を高、中、低により評価することがそれぞれのニーズに非常に適しており、これを3x3のマトリクスにより表現することができる。
 また、他の組織にとっては、結果及び発生確率を5x5のマトリクスにより評価する方がより良い評価になることがわかるであろう。

4.3.1 結果 ― 脅威及び機会

4.3.2 発生の確率 - 脅威                                           


4.3.3  発生の確率 - 機会

4.4 リスク分析手法
 リスクの分析には様々な手法が用いられる。これらの手法はアップサイド・リスク或いはダウンサイド・リスクのどちらか一方のもの分析用のばあいもあり、両方に適用できる場合もある。(4月20日、5月10日記載の参考資料の具体例を参照)

4.5 リスク・プロフィール
 リスク分析プロセスの結果は、各リスクの重要性の格付けを行い、リスク対応の取組みに優先順位をつける手段を提供するリスク・プロフィールを作成することを目的に利用される。これは特定されたリスクについて相対的な重要性の概念を与えるためにリスクの順位付けを行うものである。
 

 このプロセスにおいてリスクの影響を受ける事業分野の位置付けを行い、主要な管理手順を説明し、どの分野においてリスク管理投資レベルが上昇・低下した或いは再配分されたのかを示す。

 説明義務の実行により、リスクの「所有」を認識し、経営資源の適切な配分を行うことが可能となる。

(所感)
 ISO31000には、リスクアセスメントのリスクの特定・リスク対応の項で今回ご紹介したことと同様の問題についての記述があります。何回も申しますが、「A Risk Management  Standard」の記述は、企業がISO31000・JISQ31000に準拠してリスクマネジマントを実践する場合にも、大変参考になります。
 今回の記述で、4.2.1 リスクの説明の表は、リスクの内容を考える場合に参考になる項目が列挙されています。特に強調したいことは、4.3 リスクの算定の中の4.3.3 「発生の確率 - 機会に関する発生確率」の表です。わが国のリスクマネジメントの参考書では、「リスクの算定は発生確率及び起こり得る結果」と言う記述は必ずありますが、「機会に関する発生確率」に触れている記述は,寡聞にして私は知りません。
 「A Risk  Management  Standard」で言う「アップサイド・リスク」、或いは経済産業省の平成15年6月の「リスク新時代の内部統制」で言う「事業機会に関連するリスク」の算定に関して、大変参考になる表だと思います。
 アメリカのCOSO2 のリスクの定義では、「組織の戦略や目的達成に影響するような内的・外的事象をイベント という。正の影響を与えるイベントを機会(opportunity)・負の影響を与えるイベントをリスク(risk)という。」とされています。
 「機会のマネジメント」はリスクマネジメントの対象外なのかなと思います。
 わが国でも「機会のマネジメント」に関する議論はあまりなされていないと思います。 更に、安全の分野においては、一般的にリスクの結果はマイナス面のみであり、“安全リスクの管理”といった場合、それは危害の防止または軽減ということになるとされています。
 

 アメリカ一辺倒でなく、イギリスのリスクマネジメントの実務にも、わが国のリスクマネジメント関係者はもっともっと目を向けるべきだと私は思います。

  
○「A Risk  Management  Standard」(日本語版)
http://www.theirm.org/publications/documents/Japanese_Risk_Management_Standard_031125.pdf


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「A Risk  Management  Standard」について ④ 4.リスク分析

2013年5月10日金曜日 | ラベル: |

 大型連休の関係で5月1日は休みました。
 何年か前、旧軽井沢のロータリーでは5月5日に桜が満開でした。



 5月初旬の軽井沢は「からまつ」の若葉が綺麗です。
  

 「A Risk  Management  Standard」
4.リスク分析
4.1 リスクの特定
 リスクの特定とは組織の不確実性に対するエキスポージャーを特定することである。これには組織やその業務を行う市場、法的・社会的・政治的・文化的環境についての深い知識、及び成功に不可欠な要因や、目標達成に関する脅威・機会等、戦略・業務目標についての健全な理解が必要である。

 リスクの特定は、組織の全ての重要な活動を特定し、これらの活動から発生する全てのリスクの定義付けを確実に行うため、体系的な手法により行われる。また、これらの活動に関連する全ての変動性を特定し、分類しなければならない。
 
 業務上の活動、決定の分類は、以下の様々な方法により行われる。
  • 戦略・組織の長期的戦略目標に関するもの。これらは、資本の利用可能性、国家或いは政治に関するリスク、法規制の改正、社会的評価、物理的環境の変動等の影響を受ける。
  • 業務 ー 組織がその戦略目標を実行する際に直面する日常的な問題に関するもの。
  • 財務 - 組織の財務及び信用枠・為替レート・金利の変動・その他市場エキスポージャー等外部要因の影響の効果的な管理に関するもの。
  • 知識管理 - 知識の源泉、製作物及びその保護並びにこれに係るコミュニケーションの効果的な管理に関するもの。外部要因としては、知的財産の不正使用、地域の停電、競合する技術等が挙げられる。内部要因には、システム障害、主要スタッフの離職等がある。
  • コンプライアンス - 健康・安全、環境、商品表示、消費者保護、データ保護、雇用慣行、規制上の問題等に関するもの。
リスクの特定は外部のコンサルタントが行うこともあるが、組織内の十分なコミュニケーションに基づく、一貫性のある、協調のとれたプロセス及びツール(参考資料参照)による方がより効果的に行えるであろう。組織内においてリスクマネジメント・プロセスを「所有」していることが不可欠となる。

10.参考資料(再掲)

 リスク特定の手法  具体例
  • ブレーンストーミング
  • アンケート
  • ビジネス・プロセスの検討を行い、これらのプロセスに影響を与える内部プロセス及び外部要因双方について解説する、ビジネス・スタディー
  • 業界のベンチマーキング
  • シナリオ分析
  • リスク・アセスメント・ワークショップ
  • 事例調査
  • 監査・検査
  • HAZOP(ハザード&オペラビリティ・スタディ)
リスク分析の手法   具体例

アップサイド・リスク
  • 市場調査
  • プロスペクティング
  • テスト・マーケティング
  • 研究開発
  • ビジネス・インパクト分析
アップサイドリスク及びダウンサイド・リスク
  • 依存モデル化
  • SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)
  • イベント・ツリー分析
  • 事業継続計画
  • BPFST分析(事業・政冶・経済・社会・技術)
  • リアル・オプション・モデル化
  • リスク・不確実性の条件下での意思決定
  • 統計に基づく推測
  • 代表値・分散度
  • PESTLE(政冶・経済・社会・技術・法律・環境)
ダウンサイド・リスク
  • 脅威分析
  • フォールト・ツリー分析
  • FMEA(故障モード影響分析)
(所感)
 「ISO31000・JISQ31000」でも、リスクマネジマントの実践に当たっては、組織の状況を確定して、目的を明確にすべきだとしています。前回も書きましたが、企業がISO31000・JISQ31000に準拠してリスクマネジマントを実践する場合でも、「A Risk Management  Standard」の記述は大変参考になります。
 「ISO31000・JISQ31000」はどのような組織にも、どのようなリスクにも適用出来る汎用的なリスクマネジメント規格なので、抽象的な記述が多いによう思われます。これに比べ、「A Risk Management  Standard」の記述は大変具体的です。
平成15年6月の経済産業省のレポート「リスク新時代の内部統制」は、リスクを「事業機会に関連するリスク」と「事業活動の遂行に関するリスク」に分けています。
 「A Risk Management  Standard」の記述では、「事業機会に関連するリスク」については、〈資本の利用可能性、国家或いは政治に関するリスク、法規制の改正、社会的評価、物理的環境の変動等の影響を受ける。〉「事業活動の遂行に関するリスク」は、〈業務、財務、知識管理、コンプライアンス等の項目が関係する。〉と書かれています。
 いつものことですが、当然の項目として「財務」が挙げられています。どうしてわが国におけるリスクマネジメントの実務では、「財務」はあまり問題にされないのでしょうか。
 次回は、4.2リスクの説明、4.3リスクの算定の項をご紹介致します。
 
○「A Risk  Management  Standard」(日本語版)


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「A Risk  Management  Standard」について ③ 2.2 リスクマネジメント・プロセス  3.リスク・アセスメント 

2013年4月20日土曜日 | ラベル: |

4月11日(木)京都に行って、久しぶりに「都をどり」を見て来ました。

○祇園甲部歌舞練場
 

○お茶席
 
○祇園甲部歌舞練場のお庭の桜
 

「A Risk  Management  Standard」

2.2 リスクマネジメント・プロセス   
 
 
 リスクマネジメントは、以下の方法により組織の目標をサポートすることにより、組織及びそのステークホルダーを保護し、また、これに価値を与える。
  • 将来の活動を一貫性のある、管理された方法により行う為の組織の枠組みを作る。
  • 事業活動、変動性、プロジェクトの機会・脅威を総合的・体系的に理解することにより良い意思決定、計画策定、優先順位の決定を行う。
  • 組織内におけるより効率的な資本及び資源の利用・配分に資する。
  • 資産及び企業イメージを保護し、増大させる。
  • 人及び組織の知識ベースを発展させ、これらをサポートする。
  • 業務の効率の最適化を図る。
ご参考までに、ISO31000のリスクマネジメント・プロセスです。

3.リスク・アセスメント
 リスク・アセスメントは,ISO・IECガイド73において、リスク分析及びリスク評価の総合的プロセスであると定義されている。(参考資料参照)

○参考資料

 リスク特定の手法  具体例
  • ブレーンストーミング
  • アンケート
  • ビジネス・プロセスの検討を行い、これらのプロセスに影響を与える内部プロセス及び外部要因双方について解説する、ビジネス・スタディー
  • 業界のベンチマーキング
  • シナリオ分析
  • リスク・アセスメント・ワークショップ
  • 事例調査
  • 監査・検査
  • HAZOP(ハザード&オペラビリティ・スタディ)
リスク分析の手法   具体例

アップサイド・リスク
  • 市場調査
  • プロスペクティング
  • テスト・マーケティング
  • 研究開発
  • ビジネス・インパクト分析
アップサイドリスク及びダウンサイド・リスク
  • 依存モデル化
  • SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)
  • イベント・ツリー分析
  • 事業継続計画
  • BPFST分析(事業・政冶・経済・社会・技術)
  • リアル・オプション・モデル化
  • リスク・不確実性の条件下での意思決定
  • 統計に基づく推測
  • 代表値・分散度
  • PESTLE(政冶・経済・社会・技術・法律・環境)
ダウンサイド・リスク
  • 脅威分析
  • フォールト・ツリー分析
  • FMEA(故障モード影響分析)
(所感)
 ISO31000は、わが国においてJISQ31000として、JIS規格になっていますからリスクマネジメントの実践にあたっては、JISQ31000に準拠すべきですが、「A Risk Management Standard」の記述を参考にすることは十分意義があることだと私は思います。
 例えば、前記のISO31000のリスクマネジメント・プロセスに比べて、「A Risk Management Standard」のリスクマネジメント・プロセスは、ややステップが多くなっています。各ステップの内容の記述はISO31000のリスクマネジメント・プロセスの実践にあたっても参考になると思います。
 私は総てについて十分理解している訳ではありませんが、リスク分析の手法の具体例の中に、HAZOP、リス特定の手法の具体例の中にビジネス・インパクト分析、SWOT分析、イベント・ツリー分析、BPFST分析、リアル・オプション・モデル化、フォールト・ツリー分析、FMEAなど数多くの手法が例示されていることも参考になると考えます。
 また、我田引水かも知れませんが、2001年9月アメリカ同時多発テロ事件の翌年に作られた「A Risk Management Standard」のアップサイドリスク及びダウンサイド・リスク分析の手法の具体例の中に「事業継続計画」の項目があることも注目すべき点です。
次回からは、4.リスク分析の項をご紹介致します。

 ○「A Risk  Management  Standard」(日本語版)
http://www.theirm.org/publications/documents/Japanese_Risk_Management_Standard_031125.pdf

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「A Risk  Management  Standard」について ②  1.リスク  2.リスクマネジメント  2.1 外部・内部要因

2013年4月10日水曜日 | ラベル: |

 2002年4月中旬にRIMS(the risk management society)の年次総会に出席するため、アメリカ南部のニューオーリンズに行きました。

 ○RIMS年次総会風景



 ○フランス植民地時代の名残が色濃いフレンチ・クォーター


 ○外輪船に乗ってミシシッピ川を周遊しました。
 


 
 「A Risk  Management  Standard」
1. リスク
 A Risk  Management  Standardでは、リスクとは「一定の事象の発生確率及びその結果の両方を合わせたものである。」と定義しています。(ISO・IECガイド73)
 そして、「あらゆる種類の活動について、利益の機会(アップサイド)或いは成功への脅威(ダウンサイド)となる事象や結果の可能性がある。」と言っています。「リスクマネジメントとは、リスクのプラス・マイナス両面に関するもので、本基準においても両方の観点からリスクについての考察を行う。」とされています。
 「COSO2報告書〈Enterprise Risk Management Framework〉」のリスクの定義は、「組織の戦略や目的達成に影響するような内的・外的事象をイベント という。
正の影響を与えるイベントを機会(opportunity)・負の影響を与えるイベントをリスク(risk)という。」と定義し、リスクは「負の影響を与えるイベント」に限定しています。従ってリスクマネジメントの対象は、「A Risk  Management Standard」で言う「ダウンサイド・リスク」に限定されることになると思います。
 私は、「アップサイド・リスク」と言うのか、「機会(opportunity)」と言うかはさて置き、リスクについては、プラス・マイナス両方の観点かマネジメントすべきだと思います。
 わが国では、「アップサイド・リスク」或いは「機会(opportunity)」を如何にマネジメントするかの議論はまだまだ不十分だと思います。
 「安全面の観点からは、結果にはマイナス面しかないという認識が一般的で、安全面リスクの管理は危険の予防・軽減に重点が置かれている。」こともいつも言われています。

2.リスクマネジメント
 A Risk  Management  Standard では、「リスクマネジメントはどの組織においてもその戦略管理上、中心的な役割を果たす。」と言っています。わが国企業のリスクマネジメントはまだまだ、「事業活動の遂行に関するリスク」中心の場合が多く、経営判断の基礎に使われるケースは少ないと思います。
 リスクマネジメントの目的は「組織の全活動について、最大限の継続的価値をもたらすことであり、組織に影響を及ぼす可能性のある全ての要因についてプラス・マイナス両面の理解を深める。また、成功の確率を高め、失敗の確率及び組織の全体目標達成についての不確実性を低下させる。
 リスクマネジメントは、組織の戦略及びその戦略の実行において適用される継続的で発展的なプロセスでなければならない。また、組織の過去・現在、そして特に将来の活動に係る全てのリスクについて、体系的に対処しなければならない。
リスクマネジメントは、経営最上層部の主導による効果的な政策・計画の実行により組織の文化に取り入れられなければならず、また、リスク管理担当の各管理者・社員に職務の一環として全体のリスクマネジメントの責務を課すことにより、この戦略を戦術・業務目標へと変えていかなければならない。これが説明責任,成果に対する評価及びこれに対する報酬の裏付けとなり、全レベルにおける業務効率を向上させる。」と言っています。
 11月20日の記事でご紹介した Implementing Turnbull  A Boardroom Briefingのリスクマネジメントの目的の記述は、「リスクを効果的に管理し、企業が事業活動の目標を達成するためのプロセスに内部統制を組み込むための健全な経営感覚を作り上げる」ということでした。企業の経営戦略の達成・企業価値の増大が常に強調されています。従って経営最上層部の主導が求められています。
 平成15年6月の経済産業省のレポート「リスク新時代の内部統制」でも、『リスクは「企業が将来生み出す収益に対して影響を与えると考えられる事象発生の不確実性」として、むしろ、企業価値の源泉と言う見方で積極的に捉えられるようになってきている。』と記述されていますが、わが国のリスクマネジメントの現状と比べる時、考えさせられることが多々あります。

2.1 外部・内部要因
 「組織及びその業務の直面するリスクの原因には、外部・内部要因の両方がある。下記の表において、各領域の主要リスクの具体例をまとめているが、これによれば、特定のリスクの中には外部・内部両方の要因により生ずるものがあり。これらは2つの領域にまたがっていることがわかる。これらのリスクはさらに、戦略・財務・業務・危険等の幾つかのタイプに分類される。」と書かれています。
 平成15年6月の経済産業省のレポート「リスク新時代の内部統制」のリスクの分類は、
① 事業機会に関連するリスクと②事業活動の遂行に関するリスクです。
 1月1日の記事でご紹介した、Implementing Turnbull  A Boardroom Briefingのリスクの分類は、①経営(Business) ②事業その他(Operational & others) ③Finantial) ④コンプライアンス(Compliance)です。
 A Risk  Management  Standardの「特定のリスクの中には外部・内部両方の要因により生ずるものがある」と言う見方は参考になると考えます。
 聊か我田引水のきらいがありますが、Implementing Turnbull  A Boardroom Briefing もA Risk  Management  Standard も共に「財務」が重要な項目の一つとして分類されています。わが国のリスクマネジメントやBCPの議論では、財務に関する部分の議論が非常に少ないのに比べ、英国では当然の重要な項目になっている点にも注目して頂きたいと思います。



 ○「A Risk  Management  Standard」(日本語版)
http://www.theirm.org/publications/documents/Japanese_Risk_Management_Standard_031125.pdf

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「A Risk  Management  Standard」について ①

2013年4月1日月曜日 | ラベル: |

ブログを始めて2年経ちました。今年度もどうか宜しくお願い申し上げます

○東京の櫻
 3月23日(日)靖国神社・千鳥ヶ淵に行って来ました。
・靖国神社

 
・東京で櫻の開花宣言をする標準木の内の1本が靖国神社の能舞台の前にあります。


・千鳥ヶ淵   いつもながら、千鳥ヶ淵の桜は絶景です。


1. リスクマネジメント規格について
 私が初めてリスクマネジメントに接したのは、1987年1月です。銀行退職後或る製薬会社の経理部長になり、損害保険も担当でしたので、どのように損害保険を掛けるのかを損害保険会社にお聞きしたところ「それにはリスクマネジメントを勉強すべきです。」と言ってリスクマネジメントに関する資料を頂きました。それから25年経ちました。
 昨年3月10日にも書きましたが、25年前は部門別の個別のリスク管理の時代でした。1992年にアメリカで「COSO報告書」が公表され、従来型のリスクマネジメントとは別の、不正な財務報告リスクの防止を主眼とする内部統制と結びついたリスク管理の手法が導入されました。
 1995年に世界で初めてオーストラリア・ニュージーランドでリスクマネジメントに関する国家規格「AS/NZS4360」が制定されました。
 わが国では2001年に「JISQ2001リスクマネジメントシステム構築のための指針」が制定されました。
 2002年8月にアメリカでサーベンス・オックスリー法(SOX法)が成立し、2004年9月には 「COSO2報告書〈Enterprise Risk Management Framework〉」が公表されEnterprise Risk Management (全社的リスク管理)の時代になりました。
 2009年11月に発行された、リスクマネジメントに関する国際規格・「ISO 31000:2009 "Risk management - Principles and guidelines(リスクマネジメント-原則及び指針)"」は、2010年9月にJISQ31000となり、JISQ20001は廃止されました。
 これらの経緯については参考文献もあり、またISO31000等についても参考書がありますが、上場企業でない大企業や中小企業でリスクマネジメントを実践する場合に企業のリスクマネジメントの担当者がこれらの経過の全てを理解するのは大変で、担当者はどうしたら良いのか困惑することが多いと思います。

2.「A Risk  Management  Standard」について
 前回までにご紹介した「ターンブルの実行 取締役会への説明(Implementing Turnbull A Boardroom Briefing)」もそうですが、イギリスでは極めて実務的な規格や解説がなされていて、特に中小企業では参考になります。
 2002年9月に,英国の3大リスクマネジメント機関である、
  • IRM :The Institute of Risk Management  
  • AIRMIC :The Association of Insurance and Risk Managers
  • ALARM :The National Forum for Risk Management in the Public Sector 
が、「A Risk Management Standard」を発表しました。 「A Risk  Management  Standard」は日本語版を下記で読むことが出来ます。従って、これからは読者が日本語版を読むことを前提に解説を書こうと思います。

3.『「A Risk  Management  Standard」はじめに』の記述
 「A Risk  Management  Standard」の「はじめに」には、下記のように記述されています。
 はじめに
 リスクマネジメントは急速な発展を遂げている規律であり、その適用範囲,遂行方法および目的については様々な意見・記述がある。従って、以下の各事項についての合意を形成するためには、一定の様式による基準を設ける必要がある。
  • 使用される用語
  • リスクマネジメントの遂行プロセス
  • リスクマネジメントの組織構造
  • リスクマネジメントの目的
 ここで、重要なのは、リスクにはアップサイド・リスク及びダウンサイド・リスクの2タイプがあることを基準において認識していることである。
 リスクマネジメントは企業や公共団体のみをその対象としているのではなく、短期・長期を問わず、いかなる活動についても適用されるべきものである。利益や機会は、単に活動自体の観点のみならず、これにより影響を受けるであろう様々なステークホルダーとの関連において考慮されるべきである。
 リスクマネジメントの目的達成には多様な方法があり、その全てを一つの文書に記載することは不可能であろう。このため、該当項目にチェックする方式となるであろう規範的な基準の作成や、証明可能なプロセスの策定は、これまで行われてこなかった。方法は異なるであろうが、本基準の定める様々な規定に従うことにより、組織は法令を遵守している、という報告をすることが出来る。本基準は組織が自身についての判断を下す際の基準となるベスト・プラクチスをまとめたものである。
 
4.「A Risk  Management  Standard」の目次
 「A Risk  Management  Standard」の目次は次の通りとなっています。 
  1. リスク
  2. リスクマネジメント
  3. リスク・アセスメント
  4. リスク分析
  5. リスクの評価
  6. リスク対応
  7. リスクの報告及びコミュニケーション
  8. リスクマネジメントの制度及びその運営
  9. リスクマネジメント・プロセスの監視及び見直し
  10. 参考資料
(所感)
 中小企業や、中堅以下の大企業などで、経営資源や人材の不足、またノウハウの不足から、リスクマネジメントや内部統制の実行に苦労されている担当者や、リスクマネジメントの実践に苦労をされている心ある経営者に対し、前回までの「ターンブルの実行 取締役会への説明(Implementing Turnbull A Boardroom Briefing)」に続き、「A Risk  Management  Standard」も必ずやご参考になるものと、私は確信致します。
 
○「A Risk  Management  Standard」(日本語版)
http://www.theirm.org/publications/documents/Japanese_Risk_Management_Standard_031125.pdf

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ターンブルの実行ー取締役会への説明 ⑫ 9.その他の検討事項 10. 結び ターンブルはあなたの会社にどんな効果をもたらすか ~ Implementing Turnbull  A Boardroom Briefing ~

2013年3月20日水曜日 | ラベル: |

 今回まで、「ターンブルの実行 取締役会への説明(Implementing Turnbull A Boardroom Briefing)」を辿って行きます。

○引続き北野天満宮です。





○ターンブルの実行ー取締役会への説明


          ~ Implementing Turnbull  A Boardroom Briefing ~

 以下は、記述の抜粋です。

9.  その他の検討事項  

9.1 役員委員会

 役員会は会社の内部統制に責任を負う。内部統制について適切な方針を策定し、そのシステムが効果的に機能しているかどうかを定期的に確認する必要がある。ターンブルの最終版における主要な変更点は、管理職が役員会で採用された方針の実行に責任を負っていることを明らかにしたことである。しかし、役員委員会についての言及がある。これらの委員会(監査、リスク、上級役員、その他、何れであろうと)は、その委任事項に関わる内部統制についての報告を定期的に受け取ってレビューすることが出来る。 
 
 委員会が問うことが出来る有用な質問は次のようなものである。
  • ターンブルに対処するための計画は作られたのか。そしてそのタイムテーブルは達成可能なものか。
  • ターンブルの計画の策定と実行について責任をもたされたのは誰か。
  • 重要なリスクについて責任を負っている上級管理職は、それぞれについての統制戦略、早期警告メカニズム、および残存リスクを確認しているか。
  • 会社にリスクマネジメントと内部統制プロセスをどのように定着させているか。
  • 不正、環境、財務およびIT関連リスクの領域において、どんな特別な手段が取られているか。
  • ターンブル作業部会ガイダンスの勧告に応ずるために、まだやることが残っているのはどの領域か。
  • 会社は、ロンドン証券取引所の要求に沿って報告を行えるようになるか。
  • 年度報告及び決算において開示されている何か重要な問題に関して、重大な内部統制の側面はあるか。
監査委員会に負荷がかかり過ぎないように注意しなさい。リスクを確認し管理するのは監査委員会の責任ではない。それは経営陣の責任である。

 監査委員会の関与の範囲は役員会自身が決定するものである。コンバインド・コードは、全ての企業が、規模に関わりなく、監査委員会を持つよう規定している。許された時間を考えると、監査委員会は、ターンブル。ガイダンスを遵守するのに必要な段階のうち、ハイレベルな仕事に限られるだろう。役員会は、監査委員会の役割を内部財務統制に限定したいと考えるかもしれない。
 会社によっては、特に大きな上場企業や金融機関にの場合、優れたリスクマネジメントと内部統制を育てるためのリスク委員会を作りたいと思うかもしれない。しかし、他の会社はリスクマネジメントと内部統制の見直しを出来る限り上級役員委員会の中にはめ込みたいと思うだろう。これは勿論、議題と経営情報が改善出来るかどうかを、リスクマネジメントと内部統制の観点から内部でレビューすることを是認する。
 
9.2  ベンチ・マーキングの効果
 最先端を行くためにはどこまでやる必要があるのだろうか
 願わくは、企業がターンブル・ガイダンスで求められている基本的な、定着した手続と
モニタリング活動を定着したら、そのシステムを継続的に改善して行く努力をするであろう。
 下記は、中小上場企業が、ターンブルの手続きに関して、他の会社との比較における評価をするための方針の概要と、確立することが出来る手順を示したものである。もっとやりたい者にはさわしい良いアイディアは他に沢山あるだろう。しかし、これをこコストと利益に基づいて行うことを目的とすべきである。

ベンチマーキングの目的のレベル
最低限レベル
  • 最低限の情報開示
  • 事業目標との緩やかな結びつき
  • 役員会における限定的な議論
  • コンプライアンスの実施としてのターンブル
  • ターンブルを守るのに必要なだけの、役員会でのレビュー
  • 役員自身に相当に依存したモニタリング
  • 従業員はほとんど関与しない
中間レベル
  • 事業を活発にするものとの連関
  • 従業員の適度な関与
  • リスク意識の訓練
  • 内部監査の積極的な受け入れ
  • 各管理職レベルのコミットメメント
  • ワークショップ技術の部分的な利用
  • 優れたリスクマネジメントと内部統制の原則の適用
  • 簡潔で直接的な早期警告メカニズム
最先端
  • 会社全体における事業目標の認識
  • 〝受容できる〞レベルへのリスクマネジメントへの注力
  • 内部監査機能が、リスクと統制の観点から助言の入手源となっている
  • その他の独立的なモニタリング活動
  • ターンブルが事業を促進させるものとして利用されている
  • リスクマネジメントと内部統制が、事業全体においてボキャブラリーの一部となっている
  • 会社全体での意見交換
9.3 避けるべき落とし穴
 ターンブルは、出来る限りスムーズに行う必要がある。会社が陥り易い重要な領域を下記する。
 最も大事なことは、不必要な官僚主義を行うことでは無く、必要に応じ、事業が頼りとしている基本的な仕事をしている人々のリスクマネジメント意識を向上させることである。既存のチャネルに沿ったリスクの伝達速度と、反応の早さと適切さに重点を置くことも必用である。多くの企業では、既存の手順を活用すること、そして既存のソフトウェアと報告システムを強化することが必要となるだろう。
 
潜在的な落とし穴
  • 早期警告システムが無い
  • 確認されたリスクが多すぎる
  • 手遅れになるまで放っておく
  • 官僚主義を助長する
  • 基本的な内部財務統制を無視する
  • 監査委員会のオーバーロード
  • 業務管理職のコミットメントが得られない
  • 高いリスクに適切に取り組んでいない
  • 優れたリスクマネジメントの原則を十分に重視していない
あなたが十分にやっているかどうかを計るには、業界のリスクマネジジメント・コースに人を送り、あなたの会社に似た会社のリスクメンジメントもしくは評価している人材とのつながりを作ることがしばしば有効である。

10. 結び  ターンブルはあなたの会社にどんな効果をもたらすか 
 これまで述べて来たプロセスを一通り経たからといって、勝利を宣言してはならない。ターンブルが想定しているのは「一回限りの」試みではない。あなたは事業を継続的に発展させるためにこのプロセスを利用すべきである。そうすれば次のような結果が得られるに違いない。
  • 企業の目標達成がより現実に近くなる
  • 重要なリスクが認識され、監視される
  • 〝意外な出来事〞が少なくなる
  • 計画の仕方が進歩する
  • 事業が向上する
  • 役員そして株主に取って、眠れない夜が少なくなる
(所感)
 繰り返しになりますが、「ターンブルの実行 ー 取締役会への説明」では、内部統制に支えられたリスクマネジメントを実行する主体は経営者・役員会であるということを明確に述べています。 今回の記述でも、最低限レベル の最後に「従業員はほとんど関与しない」と書いてあります。また、「監査委員会に負荷がかかり過ぎないように注意しなさい。リスクを確認し管理するのは監査委員会の責任ではない。それは経営陣の責任である。」
など、わが国の経営者は良く噛みしめるべきだと思います。
 潜在的な落とし穴 の中では、「早期警告システムが無い」ことを再度強調し、更に「確認されたリスクが多すぎる」は耳が痛いところです。本ガイダンスは終始財務の重要性にも触れていて「基本的な内部財務統制を無視する」との記述は、アメリカにおけるSOX法制定の遥か以前のことで,慧眼に敬服致します。
 
11月20日から4ヶ月に亙った「ターンブルの実行 取締役会への説明」についてのご紹介は今回で終ります。
 
 次は「A New Risk Management Standard」(日本語版が公表されています)をご紹介したいと思います。


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ターンブルの実行ー取締役会への説明 ⑪  8 情報開示 ~ Implementing Turnbull  A Boardroom Briefing ~

2013年3月11日月曜日 | ラベル: |

 引続き「ターンブルの実行 取締役会への説明(Implementing Turnbull A Boardroom Briefing)」を辿って行きます。

 早春の一日、列車で京都から亀岡を通りました。
○北野天満宮
 

○雪の保津峡
 

○亀岡は一面の雪でした。
 

○ターンブルの実行ー取締役会への説明
             ~ Implementing Turnbull  A Boardroom Briefing ~
http://www.icaew.com/~/media/Files/Technical/Research-and-academics/publications-and-projects/corporate-governance%20publications/implementing-turnbull.pdf

 以下は、記述の抜粋です。

8.情報開示
 1999年12月23日以降に終了する最初の会計期間についての、グループとしての情報開示の例を示す。これが標準の文言であると言う訳ででは無く、会社の状況に応じて作成することが望ましい。

中小企業のための内部統制報告書(ステートメント)の見本
 (1999年12月23日以降に終了する最初の会計期間について)

内部監査
 当グループは,1999年9月末にロンドン証券取引所から上場企業に対して出された通達
 のコンバインド・コードに対する暫定的なアプローチを採用し、次の通り報告する。

内部監査のより広汎な観点
 当役員会は『経営監査 - コンバインド・コードに関する役員会のためのガイダンス』*1の実行に必要な手続を確立した。
 もしくは、
 当役員会は200年5月に『内部統制 - コンバインド・コードに関する役員会のためのガイダンス』*1の実行に必要な手続きを整備する予定である。
これは、役員会が合意した手続きが実行されるのに必要な時間を考慮に入れている。
 これには、変更の問題やグループの目標およびリスクの優先順位付け、ならびに主要なリスクそれぞれに対する統制戦略の決定とともに、全ての役員が出席するリスクマネジメントに関するワークショップの開催も含まれる。リスクマネジメント方針書も、事業リスクに関わるリスクへの役員会の姿勢を示し、全ての従業員に回付する。月次経営情報も、いくつかの主要リスク指標とともに改善する。*2
 当役員会は内部監査の必要性について検討したが、グループの規模から見て、現時点では必要であると判断出来ない。この決定については、来年、再検討する予定である。*3当役員会はリスクマネジメントおよび内部統制について一年を通して定期的に検討出来るように会議日程および議題を変更した。そして2000年12月31日締めの年度末報告の前にリスク及び統制に関する完全な評価を行うこととした。*4


*1:本段落では、このグループが1999年12月23日以降に終了する最初の会計期間において、翌会計期間なためのガイダンスを完全に遵守するのに必要な手続きの準備を整えることによって、証券取引所の実行計画を満たしたと仮定している。
*2:あるいは本段落では、このグループが証券取引所の実行計画のもとで手続を準備中である仮定している。会社がガイダンスを実行するのに必要な手続きを準備できていない時は、それをいつまでに行うかと言う期日を示さなければならない。何を行おうとするかについての議論は、付加的で自発的な情報開示である。ここでの説明は、誤解の恐れのある印象を与えることのない、意味のある、高度な情報を提供しようとするものである。(*1と*2は二者択一)
*3:この開示は義務付けられていないが、目下のところ内部監査が無いことを示すのに役立つであろう。しかし、もし内部監査機能を持っておらず、その必要性について見直したことが無い場合は、それを開示することが求められる。
*4:この開示は義務付けられていないが、役員会は翌年報告プロセスの見直しについて言及することが有効だと考えるかもしれない。


○内部財務監査
 当役員会は、内部監査のグループ全体のシステム及びその効果のレビューについて、責任を負う。このようなシステムは重大な虚偽表示(material misstatement)及び損失に対して合理的な(reasonable)保証を与えるものであり、絶対的な保証を与えるものでは無い。
 主要な手順は次の通りである。
 当役員会は、毎月財務成績の見込みと実際の比較を行う。○○ポンドを超える支出の申請の全てについて見直し、財務担当役員(financial director)は費用抑制の理由で外部委託された給与について見直す。役員は皆、それぞれの担当事業の財務成績について、役員会に対し責任を負う。この1年、外部監査人が調達システムについて特別な見直しを行ったので、この部分のコントロールは強化されている。
 役員会は1999年12月31日に終了する年度の財務に係る内部統制システムの有効性についてレビューを行い、年度末以降に実現した重要な進展を考慮に入れた。このレビューは1994年12月に発行された、役員のためのガイダンス『内部統制と財務報告』に示されている基準に基づいて行われた。*5

*5:内部統制に関する報告書は外部監査人によるレビューを受けることが条件であり、ターンブルはこの報告書のために役員会が健全、且つ適切に文書化されたサポートを期待している、ということに留意すべきである。
このグループがターンブル・ガイダンスをまだ完全に遵守していないことを踏まえ
て、ルッテマン・ガイダンスに基づく財務に係る内部統制の開示が求められる。
http://www.icaew.com/en/library/subject-gateways/corporate-governance/codes-and-reports/rutteman-report

(所感)
 我が国の企業では、情報の開示は必ずしも積極的にはなされません。情報の機微性を重視するあまり、記録を出来るだけ簡略化する傾向さえあると思われます。
 特にリスクマネジメントに関してはこの点を再考すべきだと痛感します。今回の記述もそう言った部分に関して参考になります。
 また、常に財務に関しても言及されています。経済産業省の「リスクファイナンス研究会報告書」で言っている「全社的な財務戦略の中で自社のリスクファイナンスの最適化を検討するためには、こうした(リスク管理)部門の知見と企業財務の観点を融合させることが重要である。」 にも相通ずるところがあり、我が意を得たりの思いがします。 
 
 下記のように、11月20日から4ヶ月に亙り「ターンブルの実行 取締役会への説明」についてご紹介して来ましたが、次回で終る予定です。その後は「A New Risk Management Standard」(日本語版が公表されています)をご紹介致したいと思っています。
http://www.theirm.org/publications/documents/Japanese_Risk_Management_Standard_031125.pdf

○ターンブルの実行 取締役会への説明 

 1. 何故ターンブルか        (11.20)
 2. 付加価値の付け方       (12.1 )
 3. いますぐにやること       (12.20)
 4. リスク               (1.1)(1.10)
 5. プロセスの定着         (1.20)(2.1)
 6. モニタリングと内部監査    (2.10) 
 7. 役員レベルで検討すべきこと (2.20)(3.1.)
 8. 情報開示             (3.10)
 9. その他の検討事項       (3.20予定)
 10. 結び  ターンブルはあなたの会社にどんな効果をもたらすか(3.20予定)


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