「ロンドン五輪を狙っていたサイバー攻撃」

2014年10月12日日曜日 | ラベル: |

10月初めに所用で京都に行き、次いで家族で4日間沖縄へ行って来ましたので、ブログのアップが1週間遅れて申し訳ありませんでした。
 京都では私が学生時代に止宿していた、父の従兄弟の島文次郎(京都大学文学部英文科教授・附属属図書館長)のお墓が法然院旧墓地にありますのでお参りして来ました。法然院旧墓地には谷崎潤一郎や戦前の経済学者河上肇、「老いらくの恋」で有名な川田順のお墓などもあり、併せて拝んで来ました。
  

〇島文次郎・楳乃の墓

台風18号の影響は殆どなく、沖縄はまだ夏でした。
  

〇ムーン・ビーチ

 ロンドン五輪を狙っていたサイバー攻撃

 9月22日(月)に、警察政策学会の「テロ・安保部会」で警察庁の専門家から、「サイバー空間の脅威」についてのお話をお聞きしました。その方がロンドンオリンピックにおけるサイバー攻撃に関する記事をご紹介下さいました。
 「ロンドン五輪を狙っていたサイバー攻撃」
 (株)情報通信総合研究所  グローバル研究グループ 佐藤 仁
http://www.icr.co.jp/newsletter/global_perspective/2013/Gpre2013115.html
 以下はその内容の概略です。
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 「2012年夏のロンドンオリンピックでは、開会式がサイバー攻撃の標的にされていた。」とロンドンオリンピックのサイバーセキュリティ責任者であるOliver Hoare氏がBBCのインタビューで答えています。
 電力のインフラへのサイバー攻撃によってオリンピック開会式の照明が消されてしまったかもしれなかったということです。実際には照明が落とされることはありませんでしたが、世界中で何十億の人が見ているオリンピックの開会式で照明が消えてしまっては一大事です。万が一サイバー攻撃で停電になったとしても、30秒あれば手動で電気は復旧するとOliver Hoare氏は報告を受けていましたが、開会式では30秒の停電でも大パニックになっていた筈です。
 ロンドンオリンピックを標的にしたサイバー攻撃はこれだけではありませんでした。ロンドンオリンピックのサイトは400億のページビューにも耐えられるようになっていましたが、オリンピックのサイトには2週間の開催期間で2億2,100万のサイバー攻撃があったそうです。
 またロンドンオリンピックのCIO(Chief Information Officer)を務めたGary Pennell氏はオリンピック期間中に1億6,500万回のサイバーセキュリティに関わる問題が発生し、CIOのオペレーションセンターに報告されたサイバー攻撃は97件だったと言っています。例えば、オリンピック開催直前の2012年7月26日、東欧からのサイバー攻撃がありましたが、実際に被害はなかったそうです。 
 また、オリンピック開会式(2012年7月27日)での照明システムへの攻撃は40分間続いて、北米や欧州の90のIPアドレスから1,000万のアクセスがありましたが被害はなかったそうです。
2008年の北京オリンピックでは1日に1,400万回のなにかしらの攻撃があったことから、ロンドンオリンピックが開催される前からロンドンではサイバー攻撃が行われると確信しており、それに備えた対策を事前に講じてきたのだそうです。
 サイバー攻撃は政府だけや1企業だけでは対応策することに限界があるので、多くの企業や政府との協力、連携が必要になります。
 サイバー攻撃はこれからも進化していきます。イギリスの前の安全保障・対テロ担当大臣で、現在はイギリス政府でサイバー攻撃対策の特別代表を務めるネヴィル・ジョーンズ上院議員は、2020年に東京で開催される東京オリンピックについて「オリンピックを成功させるためには、日本がサイバー攻撃への対策を強化する必要がある。私たちには豊富な経験がある。」と述べ、2012年のロンドンオリンピックの経験を日本側と共有するなどして協力していく考えを示しておられます。
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【 所 見 】
 今から50年前、東京オリンピック直前の昭和39年(1964年)10月1日(木曜日)に東海道新幹線が開業しました。
 前日まで雨だったお天気は奇跡的に晴れ上がり、昭和39年10月10日(土曜日)の午後、私は住友銀行の人形町支店の中庭から航空自衛隊の「ブルー・インパルス」が青空に描いた五輪を見上げました。
 当時はパソコンもインターネットもなく、ここに記述されているようなオリンピックを狙ったサイバー攻撃など全く考えられない長閑な時代でした。
 9月22日(月)の研究会では、警察庁の専門家に2020年の東京オリンピック開催時の
サイバー攻撃の防禦についての質問が出ました。彼は「過去の事例と今後予想される事態を考慮して万全の対策を講じます。中身については申し上げられません。」と返事をされていました。
 次回は、私たちの身の回りのサイバー攻撃、例えば、「インターネット不正送金事犯」等についてのお話をご紹介致します。
 2020年東京でオリンピックを開催の頃にはどのようなサイバー攻撃が主流になっているのか想像もつきませんが、英国との情報交換や連携はサイバーセキュリティにおいて重要なことだと痛感しました。

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「リスクとキャッシュフロー」について ㉗

2014年9月21日日曜日 | ラベル: |

 今回から、事務上の都合で、隔週日曜日にアップすることに致します。

  11.「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」 ⑬
 
 今回は「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」初級コース、中級コースの「 事前対策の考え方 」をご説明致します。

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〇「財務診断モデル」基本コース 参考.4 財務診断とキャッシュフロー対策 (2)キャッシ
ュフロー対策 
 ③事前対策の考え方
 事前に対策を講じておけば、災害時の復旧費用総額は間違いなく減少します。事業の継続に重大な影響を与える欠陥がある場合は、借入をしてでも事前に対策を講ずることは当然です。

〇「財務診断モデル」中級コース 参考.4 事前対策の考え方
 事前の対策をする場合は、資金調達の形が下表のように変わります。対策費用を自己資金で行うか、資金を借り入れるかで、別途の検討が必要になります。
事前の対策を自己資金で毎期着実に実行していくことが望ましいのですが、緊急に対策を講ずる必要がある場合には、災害防止対策資金の借入を検討することが必要になります。
  〇事前対策検討表                      (単位 千円)
    必要資金の金額 調達可能金額 備 考
(災害防止対策費用)( F )   手元現金・預金
損害保険金
会社資金売却
(会社調達分 計)
 
 
 
( )
 
(復旧資金)
資産の復旧費用( A )
事業中断によるキャッシュフローの悪化額( B )
復旧費用総額
( C )=( A )+( B )
 
経営者から支援  
災害防止対策資金借入金額( G )  
災害時新規借入金額( E )  
計( F )+( C )=( H )         計  

事前に対策を講じておけば、災害時の「設備の復旧費用+事業中断によるキヤッシュフローの悪化額」即ち「復旧費用総額」は間違いなく減少します。このことを、計数で表すことは難しいのですが、下記はその概念図です。



事前に何も防災対策を講じていない場合の復旧資金総額(C1)より、有効な事前防災対策を講じた場合の必要資金総額(H2)は少なくなる筈です。
理論的には事前の防災対策を全く行わない場合の復旧費用(A1+B1=C1)が、事前対策を講じた場合の総費用(A2+B2+F2=H2)より大きい場合 C1>H2であれば、事前防災対策を講じるべきです。(概念図参照)
企業としての費用負担総額は、上記のケース(2)、(3)の図のように累計で考えなければなりません。
過度の災害防止対策を実施した結果、災害防止対策を何も行わなかった場合より企業の累
資産の復旧費用計負担額が大きくなる ケース(3) (A1+B1=C1)<(A3+B3
+F3=H3) =C1<H3も考えられます。これは行き過ぎです。
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 「事前対策費用の効果概念図」で言いたいことは、何も事前対策をしない場合の災害発生時の「資産の復旧費用+事業中断によるキャッシュフローの悪化額」に比べ「事前の災害対策費用+資産の復旧費用+事業中断によるキャッシュフローの悪化額」の合計が小さくなるはずだと言うことです。
 従って「ケース3」は、過大なあるいは効果が少ない「事前の災害対策費用」をかけて、「資産の復旧費用+事業中断によるキャッシュフローの悪化額」に比べ「事前の災害対策費用+資産の復旧費用+事業中断によるキャッシュフローの悪化額」の合計が小さくならないようなことは意味がないと言っている訳です。
 中小企業の場合、効果的な「事前の災害対策」を確立し、その費用を算定することは仲
々困難だと思います。従って自社で考えられる限りの「事前の災害対策」を、自社で調達出来る資金の範囲で行っておくしかありません。
 但し、緊急に対策を講ずる必要がある場合には、災害防止対策資金の借入等を検討することが必要になります。
 何回も繰り返しますが、「とても無理だからと言って、何も対策を講じないよりも、ご自分で考えられることは対策を講じておく、そして、最低1ヶ月くらいの出費を賄えるだけの資金を持っていて、災害発生後1ヶ月くらいの間に事業の継続やその後のキャッシュフロー対策を講ずること」が現実的な中小企業のBCPだと私は思います。


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「リスクとキャッシュフロー」について ㉖

2014年9月10日水曜日 | ラベル: |

  11.「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」 ⑫

引き続き「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」「参考.4 直接原価方式による損益計算書の作成・計算手順」をご説明致します。

 下記は、「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」「参考.4 直接原価方式による損益計算書の作成・計算手順」 「参考.3 緊急事態発生後のキャッシュフローの算定」の記述の続きです。

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表 参考.3-1 災害発生直後1ヶ月目のキャッシュフロー検討表(例)
  上旬
(緊急事態発生)
中旬  下旬  
 計
  稼働率    0% N 1% N2%
営業
 
収入
前月分の影響      〇〇〇
今月分        0    0   0     0
営業収入計      〇〇〇
 
営業
 
支出
変動費 前月分の影響        △ 1 △ 1
 今月分        △ 2 △ 2
固定費 前月分の影響       ✫ 1 ✫ 1
今月分     ✫ 2 ✫ 2
  営業支出計       ▲▲▲
   復旧 費用       0    0   0    0
   資金 収支       ✳✳✳


表 参考.3-2 キャッシュフロー対策
                              (単位:千円)
 科  目   上旬 中旬 下旬   計
現金・預金取り崩し        
新規借入 1        
 損害保険金 2        
 会社資産売却 3        
 経営者から支援         
 総合資金収支        


 緊急事態発生直後1ヶ月目は、前月の影響がありますから、細かく予想することが必要です。緊急事態発生が、上旬か、中旬か、下旬かによってもキャッシュフローは大きく変ります。
注1)新規借入、注2)損害保険金の支払い、注3)会社の資産売却の3項目については、
資金になるまでには時間がかかりますから、緊急事態発生直後の時期は手元に現・預金がないと大変です。
 段階的に稼動率がアップすると予想される場合は、手作業で稼働率を補正して下さい。
さらに、災害発生後1年間あるいは2年間のキャッシュフローを考えておく必要があります。災害復旧資金を借入れた場合、2年据置き後3年目から返済が始まりますから、復旧にあたり貴方の会社の収益体質の改善(返済原資の増加)を図ることが大事になります。
 災害後あなたの会社の、稼働率をどう推移させるのかも考えて下さい。また、何ヶ月目にどのくらい資金がピークで不足するのかを予想しましょう。
資金不足の対策(新規借入・資産売却・経営者から支援)を何時、どうするかも、考えておいて下さい。 

〇災害発生後1年間のキャッシュフロー検討表
                                      (単位:千円)
   科  目
(稼働率)
1ケ月目
(0%)
2ケ月目
(3 0%)
3ケ月目
(60%)
4ケ月目
( 100% )
5ケ月目
( 100% )
6ケ月目
( 100% )
資金
 
収支
営業収入            
営業
 
支出
固定費            
変動費            
小 計            
事業資金収支            
  復旧費用            
月次 資金収支 ( B 0 ) ( B 30 ) ( B 60 ) ( B 100 ) ( B 100 ) ( B 100 )
累計 資金収支            


〇キャッシュフロー対策
  1ケ月目 2 ケ月目 3 ケ月目 4 ケ月目 5 ケ月目 6 ケ月目
現金・預金取崩し            
 新規借入            
 損害保険金            
 会社資産売却            
経営者から支援            
 総合資金収支            




                                            (単位:千円)
 科  目
稼働率 100% 以上
7 ケ月目
(  %)
8 ケ月目
(   %)
9 ケ月目
(  %)
10 ケ月目
(   % )
11 ケ月目
(   % )
12 ケ月目
(   % )
資金
 
収支
営業収入            
営業
 
支出
固定費            
変動費            
小 計            
事業資金収支            
  復旧費用            
月次 資金収支            
累計 資金収支            



〇キャッシュフロー対策
  7 ケ月目 8 ケ月目 9 ケ月目 10 ケ月目 11 ケ月目 12 ケ月目
現金・預金取崩し            
 新規借入            
 損害保険金            
 会社資産売却            
経営者から支援            
 総合資金収支            



各月ごとの稼働率(0%、30%、60%、N%)に基づき、キャッシュフローを予測する場合は、下記の表で数字を記入して下さい。


〇稼働率0%の場合のキャッシュフロー
  科     目   稼働率  100%  稼働率0%の場合
  営 業 収 入  
営 業
 
支 出
 変動費    変動費 × 0    
 固定費    
 小 計    
 月次資金収支額    ( B )    ( B 0 )



〇稼働率30%の場合のキャッシュフロー
  科     目   稼働率  100%  稼働率30%の場合
  営 業 収 入    
営 業
 
支 出
 変動費     変動費 × 0.3
 固定費    
 小 計    
 月次資金収支額    ( B )    ( B 30 )




〇稼働率60%の場合のキャッシュフロー
  科     目   稼働率  100%  稼働率 60 %の場合
  営 業 収 入    
営 業
 
支 出
 変動費     変動費 × 0. 6
 固定費    
 小 計    
 月次資金収支額    ( B )    ( B 60 )



〇稼働率N%の場合のキャッシュフロー
  科     目   稼働率  100%  稼働率 N %の場合
  営 業 収 入    
営 業
 
支 出
 変動費     変動費 × 0. N
 固定費    
 小 計    
 月次資金収支額    ( B )    ( B N )



復旧後の稼働については、復旧後の条件で改めて、損計算の内訳(変動費・固定費)を計算し直す必要があります。


〇復旧後のキャッシュフロー                  (単位 千円)
     直接原價計算 月簡キャッシュフロー
  営業  収入    
営業
 
支出
変動費    
固定費
(内減価償却費)
   
  小 計    
  営業 利益       ―
 キャッシュフロー     ―  



○災害復旧後の損益計算予想または実績で直接原価計算をやり直しましょう。
災害復旧資金を借入れた場合には、2年据置き後3年目から返済が始まりますから、復旧にあたり貴方の会社の収益体質の改善(返済原資の増加)を図ることが大事になります。


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 「財務診断モデル」「参考.4 直接原価方式による損益計算書の作成・計算手順」 「参考.3 緊急事態発生後のキャッシュフローの算定」の記述を読んで下さってい
る方は殆どいないのではないかと私は思います。
 前回、「緊急事態の発生時のキャッシュフローの変動を精密に行う意味はあまりないと私は思います。」と書きました。然しキャッシュフローがどうなるかはおおまかにでも事前に検討しておくべきです。
7月1日にご紹介した『国土交通省首都直下地震対策計画 [第1版](中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ)』によれば、例えば、「首都圏の交通・物流システムが発災直後から長期間に渡り機能不全に陥る」「輸送ルートの被災等によりサプライチェーンが寸断され、企業の生産活動が低下。その影響が長期化した場合には、生産機能の国外移転等が進み、我が国の国際競争力が低下。」と記述されています。「首都圏の交通・物流システムが発災直後から長期間に渡り機能不全に陥る」のは一体何ヶ月になりそうかなど事前に想定出来るわけがありません。さすれば、地震発生後に状況を見て判断し、自社の工場は大丈夫だったとしても、サプライチェーンが寸断され、原材料の供給がストップする、あるいは製品が出来てもお得意先へ送ることが出来ない等々、自社での対応を超える部分について十分考慮して、操業出来ない、売上が立たない期間はどのくらいになりそうか。その結果のキャッシュフローはおおまかにどうなるのかの検討が出来るように是非事前に考えておく必要があります。
 お金が全てではありませんが、首都直下地震発生後1ケ月くいの間にかねてから検討していたデータと現実の状態を勘案して、キャッシュフーの見通しをたて、中小企業庁の「災害復旧貸付」制度を利用してキャッシュフロー対策を講じ、生き延びることが必要です。BCPの色々な準備や対策が外的要因で有効に機能しない「首都直下地震」のようなケースでは、キャッシュフロー対策が当面の最重要課題になると私は考えます。


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「リスクとキャッシュフロー」について ㉕

2014年9月1日月曜日 | ラベル: |

  11.「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」 ⑪

 引き続き「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」「参考.4 直接原価方式による損益計算書の作成・計算手順」をご説明いたします。
 前回は、8月10日の記述の下記の表に至る過程を詳しくご説明致しました。

○ 直接原価計算方式による損益計算書
                             (単位百万円)
   科  目 1  年 間 1 ヶ 月
 売上高 5、923 494
 変動費 4,421 368
 固定費 1,233 103
内減価償却費・諸引当
( 現金ベース固定費 )
   108
(1,128)
  9
(94)
  営業利益    269    23

 この企業では、事故や災害により売上がゼロになっても出ていく費用が、年間1,233百万円、減価償却費を除く現金ベースでは1、128百万円と計算されます。つまり売上がゼロになっても毎月平均94百万円のお金が出ていくことになるわけです。
 なお、損益計算書上の営業外損益・特別損益は考慮外となっている点ご留意下さい。

 下記は、「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」「参考.4 直接原価方式による損益計算書の作成・計算手順」 「参考.3 緊急事態発生後のキャッシュフローの算定」の記述です。

◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊  
表 参考.3-1 災害発生直後1ヶ月目のキャッシュフロー検討表(例)
                                 (単位:千円)
  上旬
(緊急事態発生)
中旬  下旬  
 計
  稼働率    0% N 1% N2%
営業
 
収入
前月分の影響      〇〇〇
今月分        0    0   0     0
営業収入計      〇〇〇
 
営業
 
支出
変動費 前月分の影響        △ 1 △ 1
 今月分        △ 2 △ 2
固定費 前月分の影響       ✫ 1 ✫ 1
今月分     ✫ 2 ✫ 2
  営業支出計       ▲▲▲
   復旧 費用       0    0   0    0
   資金 収支       ✳✳✳

表 参考.3-2 キャッシュフロー対策
                                 (単位:千円)
 科  目   上旬 中旬 下旬   計
現金・預金取り崩し        
新規借入 1        
 損害保険金 2        
 会社資産売却 3        
 経営者から支援         
 総合資金収支        

緊急事態発生直後1ヶ月目は、前月の影響がありますから、細かく予想することが必要です。緊急事態発生が、上旬か、中旬か、下旬かによってもキャッシュフローは大きく変ります。
注1)新規借入、注2)損害保険金の支払い、注3)会社の資産売却の3項目については、資金になるまでには時間がかかりますから、緊急事態発生直後の時期は手元に現・預金がないと大変です。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊  

 企業は通常、経費の支払いを下旬に行います。給料は10日とか25日に支払い、原材料費の決済は翌月が多いと思います。売上は通常、翌月くらいに入金になります。従って緊急事態の発生が上旬か中旬か下旬かによって、緊急事態発生月のキャッシュフローは大きく異って来ます。またこのことは緊急事態発生の翌月のキャッシュフローにも影響を与えます。
 従って企業は可能ならば自社の営業収入の状況、諸経費支払いの状況を前提に、緊急事態の発生が上旬か中旬か下旬かによって、自社のキャッシュフローがどう変動するかを試算出来ていれば有益だとは思います。後記の表で試算出来ます。
 然し、緊急事態の発生時のキャッシュフローの変動を精密に行う意味はあまりないと私は思います。緊急事態が発生した場合、先ず1ヶ月を耐え抜くにはキャッシュがいくらぐらい必要か。500万円くらいか、あるいは1000万円、5000万円、1億円要るかくらいのレベルの目安が必要だと思うからです。
 従って、キャッシュフローへの影響が最も大きくなる上旬に緊急事態が発生した場合に備えておけば、それよりも影響が少ない中旬・下旬の場合も十分対応出来るという考えで、「財務診断モデル」「参考.4 直接原価方式による損益計算書の作成・計算手順」では上旬に緊急事態が発生した場合だけを例示しています。

○災害発生直後1ヶ月目のキャッシュフロー検討表(例2)
                                 (単位:千円)
  上旬 中旬
(緊急事態発生)
 下旬   計
  稼働率 100%    0% N2 %
営業
 
収入
前月分の影響      〇〇〇
今月分    0          0   0     0
営業収入計      〇〇〇
 
営業
 
支出
変動費 前月分の影響        △ 1 △ 1
 今月分        △ 2 △ 2
固定費 前月分の影響       ✫ 1 ✫ 1
今月分     ✫ 2 ✫ 2
  営業支出計       ▲▲▲
   復旧 費用    0         0   0    0
   資金 収支       ✳✳✳

○ 災害発生直後1ヶ月目のキャッシュフロー検討表(例3)
                                 (単位:千円)
   上旬 中旬  下旬
(緊急事態発生)
  計
  稼働率 100% 100 % 0%
営業
 
収入
前月分の影響      〇〇〇
今月分    0    0      0     0
営業収入計      〇〇〇
 
営業
 
支出
変動費 前月分の影響        △ 1 △ 1
 今月分        △ 2 △ 2
固定費 前月分の影響       ✫ 1 ✫ 1
今月分     ✫ 2 ✫ 2
  営業支出計       ▲▲▲
   復旧 費用    0     0     0    0
   資金 収支       ✳✳✳

中小企業庁の「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル(キャッシュフロー対策)」参考.3 緊急事態発生後のキャッシュフローの算定」では、

  ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊
   先に緊急時の復旧資金の調達について検討を行いましたが、緊急事態発生後のキャッシュフローについては、更に細かく検討をしておくべきです。再度、キャッシュフロー対策の考え方を以下に示します。
災害発生後1ヶ月分の支出を賄える現金・預金を保有していることが望ましいと考えます。不測の出費に備え月商の1ヶ月分くらいの現金・預金を保有していることをお薦めします。現金・預金が不足の場合は、小企業は小規模企業共済制度の災害時貸付制度・日本政策金融公庫の利用をお薦めします。
○ 借入をしてでも事業継続を図る意欲がある場合は財務面の検討結果に多少の問題があっても、検討結果を持って「特別相談窓口」に相談に行くことをお薦めします。日本政策金融公庫・商工組合中央金庫・保証協会(含むセーフティネット保証)が弾力的にご相談に応じるものと思われます。
○災害復旧貸付制度の概要は別記しています。(後略)
  ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊

 と記述されています。
 企業の収益が赤字でなければ、前月の営業業活動の結果の収支は本来償っている筈です。従って、理論的には稼働率が0になった期間は「現金ベースの固定費分」のキャッシュが不足する筈です。さらには、損益計算書上の営業外損益・特別損益は考慮外となっている点や、緊急事態が発生時には思わぬ急な出費が生ずる恐れもあり、月商の1ケ月分くらいのキャッシュを保有していることが望ましいとされているわけです。
 「不測の出費に備え月商の1ヶ月分くらいの現金・預金を保有していることをお薦めします。」というのは経験則で理論的根拠はありません。
 私が知る限りでは、ソニーの2004年3月期ア二ュアルレポートに,「ソニーは流動性確保のために,グループ全体で年度における平均月次売上高および予想される最大月次借入債務返済額の合計の100%以上に相当する流動性を維持することを基本方針としています.」と書かれていました。残念なことにソニーの業績悪化に伴い、現在の
ア二ュアルレポートにはこの記述はありません。
 中小企業がどこまでBCPにおけるキャッシュフロー対策を立てるかについて、私は必ずしも完全な対策が出来なくても、可能な限りの検討で十分意味があると考えます。
 中小企業の場合は、コンサルタントや金融機関などに相談する機会はあまり無いと思いますので、ご自分で考えて実行出来ることは事前にやっておく、そして「緊急事態発生直後事業がストップした場合、最低1ヶ月くらいの出費を賄えるだけの資金を持っていて、緊急事態発生後1ヶ月くらいの間に現実を踏まえて事業の継続やその後のキャッシュフロー対策を講ずる。」と言うのが現実的な策だと思います。そのためには月商の1ケ月分くらいの手元資金が無いと対策を講じる暇もありません。
 次回も続きを書きます。


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「リスクとキャッシュフロー」について ㉞

2014年8月20日水曜日 | ラベル: |

  11.「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」 ⑩
 前回のブログの最後に、『細かい内容は「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」の上級コース「参考.4 直接原価方式による損益計算書の作成・計算手順」(参考62―68)をご覧下さい。詳細は次回にご説明致します。
http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/download/bcppdf/bcpguide_11b.pdf 』
と書きました。
今回は「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」「参考.4 直接原価方式による損益計算書の作成・計算手順」をご説明いたします。下記「◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊」内は、「財務診断モデル」「参考.4 直接原価方式による損益計算書の作成・計算手順」の表です。今回はこれに解説を加えます。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ 
〇直接原価方式による損益計算書の作成・計算手順
計算手順を示します。卸・小売業、建設業も同じ考え方で計算します。
(表1)  製造原価報告書の内訳の分類     (単位:千円)◎印は 固定費
科    目 金     額
内     訳    合 計
Ⅰ.材料費
期首材料棚卸高
当期材料仕入高
合 計(1+2)
期末材料棚卸高
当期材料費(1+2-3)
   
Ⅱ.労務費
◎1.基本給
◎2.諸手当、福利厚生費
当期労務費(1+2)
   
Ⅲ.経費(1+…12)
1. 電力費
2. ガス・水道料
3. 運賃
◎4. 減価償却費 (五)
◎5. 修繕費
◎6. 租税・公課
◎7. 不動産賃借料
◎8. 保険料
◎9. 旅費・交通費
◎10.通信費
11.外注加工費
◎12.雑費
13.その他(固定・変動費を判断)
当期経費
   
1. 当期製造総費用(Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ)
2. 期首仕掛品棚卸高
合 計(1+2)
3. 期末仕掛品棚卸高
   
当期製品製造原価 (1+2-3)  

(表2)製造原価報告書の作り換え                 (単位:千円)
科   目 金  額 備  考
 
変動費
当期材料費    
 
(一)×
(当期製品製造原価 / 当期製造総費用)
=表 3の①
電力費
ガス・水道費
運賃
外注加工費
その他変動費
 
変 動 費 計 (一)
 
 

 
 

 
 
労務費    
減価償却費
修繕費
租税・公課
不動産賃借料
保険料
旅費・交通費
通信費
雑費
その他固定費
   (五)  
( 二 ) ×
(当期製品製造原価 / 当期製造総費用)
=表 3の②
 
(五)×
当期製品製造原価 / 当期製造総費用)
=表 3の⑤
  固定費計     (ニ)
  当期製造総費用    

製造原価の金額に (当期製品製造原価 / 当期製造総費用)の割合を乗じて金額を修正する。棚卸資産の関係による製造総費用と製造原価の金額(含む費用の内訳金額)の差異を一致させる。
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 期首と期末で仕掛品棚卸高が増減しますから、当期製造総費用と当期製品製造原価は異なります。そのため当期製品製造原価の変動費、固定費を算出するため、製造総費用の変動費、固定費に(当期製品製造原価 / 当期製造総費用)を掛けて、金額を調整します。


◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ 
      表3 製造原価金額の修正        (単位:千円)
 科 目     金  額
 
変動費
当期材料費  
電力費
ガス・水道費
運賃
外注加工費
その他変動費
 
変動費 計 ①  
 
 
 
固定費
労務費  
減価償却費⑤
修繕費
租税・公課
不動産賃借料
保険料
旅費交通費
通信費
その他固定費
 
  固定費 計②  
   売上原価  

◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ 
 変動費、固定費の各項目は一々修正しなくても、合計金額だけ修正すれば十分です。

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 表 4   一般管理費および販売費の内訳の分類
(単位:千円) 
 
    科  目
     金       額
   内 訳   合 計
一般管理費および販売費
◎1. 販売員給与手当
◎2. 販売員旅費
◎3. 広告宣伝費
4. 発送費,配達費
◎5. 役員給与手当
◎6. 事務員給与手当
◎7. 減価償却費 ⑥
◎8. 地代・家賃
◎9. 修繕費
◎10.事務用消耗品費
◎ 1 1.通信費・交通費
◎12.その他固定費
13.その他変動費
   
一般管理費・販売費 計    
◎は 固定費

表 5  一般管理費・販売費の内訳の作り換え
(単位:千円) 
   科目    金額
変動費 発送費・配達費
その他変動費
 
  変動費 計 ③  
 
 
 

 

 
販売員給与・手当
販売員旅費
広告宣伝費
役員給与・手当
事務員給与・手当
減価償却費 ⑥
地代・家賃
修繕費
事務用消耗品費
保険料
通信費・交通費
その他固定費
 
  固定費 計 ④  
 一般管理費・販売費計  
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊   
一般管理費および販売費の内訳金額はそのまま使います。

◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊   
 表 6 損益計算書の内訳の作り換え
(単位:千円) 
 
    科  目
     金    額    
  内  訳  合  計
  売  上  高    
 売上原価 (1+2)
1 . 変動費①
2 . 固定費②
   
 売上総利益    
一般管理費・販売費(1+)2
1 . 変動費③
2 . 固定費④
   
 営 業 利 益    

表 7 直接原価計算による損益計算書の作成
(単位:千円)
   科  目   1年間   1ヶ月
  売  上  高    
変動費計 (①+③)    
固定費計 (②+④)    
内 減価償却費(⑤+⑥)
(現金ベース固定費) 1
   
  営 業 利 益    
注1)現金ベース固定費は(固定費計)―(減価償却費)
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊   
こうして、直接原価計算による損益計算書が出来上がりました。
なお、前回も書きましたが、損益計算書上の営業外損益・特別損益は考慮外となっている点ご留意下さい。
また、前回書きましたように、固定費と変動費の分解については、今は発行されていませんが、中小企業庁編平成15年度調査 「中小企業の原価指標」 (株式会社 同友館 ISBN 4-496-03706-8 ) P.11-14が参考になります。(前記上級コースに転記。)
下記は、「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」の上級コースの記載です。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊  
○ 固定費と変動費の分解については、中小企業庁編平成15年度調査 「中小企業の原価指標」 (株式会社 同友館 ISBN 4-496-03706-8 ) P.11-14 を参照して行うと便利
です。固定費か変動費かが不明な費用は固定費に算入しておけば固めの計算が出来ます。
以下に同書の費用分解基準を転記します。
【製造業】
固定費
直接労務費、間接労務費、福利厚生費、減価償却費、賃借料、保険料、
修繕料、水道光熱費、旅費、交通費、その他製造経費、販売員給料手当、
通信費、支払運賃、荷造費、消耗品費、広告費、宣伝費、交際・接待費、
その他販売費、役員給料手当、事務員(管理部門)・販売員給料手当、支払
利息、割引料、従業員教育費、租税公課、研究開発費、その他管理費
変動費
 直接材料費、買入部品費、外注費、間接材料費、その他直接経費、
重油等燃料費、当期製品知仕入原価、当期製品棚卸高―期末製品棚卸
高、酒税。
【卸・小売業】
固定費
販売員給料手当、車両燃料費(卸売業の場合50%)、車両修理費(卸売
業の場合50%)販売員旅費、交通費、通信費、広告宣伝費、その他販売
費、役員(店主)給料手当、事務員(管理部門)給料手当、福利厚生費、
減価償却費、交際・接待費、土地建物賃借料、保険料(卸売業の場合50%)、
修繕費、光熱水道料、支払利息、割引料、租税公課、従業員教育費、その
他管理費。
変動費
売上原価、支払運賃、支払荷造費、支払保管料、車両燃料費(卸売業の場
合のみ50%)、保険料(卸売業の場合のみ50%)、
注:小売業の車両燃料費、車両修理費、保険料は全て固定費。
【建設業】
固定費
労務管理費、租税公課、地代家賃、保険料、現場従業員給料手当、福利厚
生費、事務用品費、通信交通費、交際費、補償費、その他経費、役員給料
手当、退職金、修繕維持費、広告宣伝費、支払利息、割引料、減価償却費、
通信交通費、動力・用水・光熱費(一般管理費のみ)、従業員教育費、その
他管理費。
変動費
材料費、労務費、外注費、仮設経費、動力・用水・光熱費(完成工事原価
のみ)運搬費、機械等経費、設計費、兼業原価。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊  

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「リスクとキャッシュフロー」について ㉝

2014年8月10日日曜日 | ラベル: |

  11.「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」 ⑨
事業中断損失の考え方  
 6月10日・20日の記事で、下記の表をお示ししました。今回からは事業中断損失・事業がストップした場合のキヤッシュフローの悪化額について書きます。 
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ 

表 参考.1-1 復旧費用の算定(製造業)          (単位:千円)
  損害の程度 復旧期間 復旧費用  備 考 
建  物 全 壊      日    
半 壊      日    
機  械 建物全壊      日    
建物半壊      日    
 棚卸 資産
 
全 損      日    
 半 損      日    
器具・工具 等        
資産関係計       ( A )
事業中断損失     ( B )
復旧費用計       ( A )+( B )=( C )
〇「事業中断によるキヤッシュフローの悪化額」の計算。
〇生産が1ヶ月ストップした場合のキヤッシュフロー悪化額(B) (単位百万円)
  科   目
 1 ヶ 月
1ヶ月(通常ベース)
通常ベース比
 営 業 収 入
      0
 
 
営業
 
支出
変動費
 
 
 
 固定費
 
 
 
 小 計
 
 
 
月次 資金収支額
     (B)
 
 
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ 

〇直接原価計算
 直接原価計算(Direct Costing)と言う会計技法があります。これは本来は、製造原価・一般管理費・販売費を変動費と固定費に分けて、表示し、原価、営業量、利益関係の分析を会計記録に取り入れ、短期の利益計画の役立たせるものです。
 事業中断損失・事業がストップした場合のキヤッシュフローのシミュレーションを行なうにあたっては、直接原価計算の変動費・固定費の数字を用います。
このため、通常の損益計算書から、費用を変動費・固定費に分けた直接原価計算による損益計算書を作成します。
 製造業のケースを示します。   
      

   〇 損益計算書                  (単位 百万円) 
科    目
金  額
売上高
 
売上原価
1. 期首製品棚卸高
2. 当期製品製造原価
  (内減価償却費)
3. 期末製品棚卸高
 売上原価(上記1+2-3)
 
売上総利益
 
一般管理費および販売費
        (内減価償却費)
 
営業利益
 
営業外収益
 
営業外費用
 
経常利益
 
特別利益
特別損失
 
税引前当期純利益
 
法人税・住民税
 
税引後当期純利益
 

〇製造原価計算書                                (単位 百万円)
科          目 金      額
   内    訳    合    計
I .材料費 
 1.期首材棚卸高
 2.当期材料仕入高
   合  計(1+2)
 3.期末材料棚卸高
 当期材料費(1+2-3)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
I .労務費 (1+2)
◎1.基本給
    ◎2.諸手当、福利厚生費
 当期労務費
 
 
 
 
 
 
 
 
III .経費
1. 電力費
  2. ガス・水道料
3. 運賃
4. 減価償却費
5. 修繕費
6. 租税・公課
  7. 不動産賃借料
8. 保険料
  9. 旅費・交通費
◎10.通信費
11.外注加工費
◎12.雑費
13.その他
        (固定・変動費を判断)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  当期経費
 
 
 
1.当期製造総費
  ( I + II + III )
2.期首仕掛品棚卸高
  合   計(1+2)
3.期末仕掛品棚卸高
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
当期製品製造原価 (1+2-3)  
 
◎印は固定費・無印は変動費

〇一般管理費・販売費                              (単位 百万円)
科    目           金        額
    内    訳     合   計
一般管理費および販売費
◎1. 販売員給与手当
◎2. 販売員旅費
◎3. 広告宣伝費
  4. 発送費,配達費
◎5. 役員給与手当
◎6. 事務員給与手当
◎7. 減価償却費 
◎8. 地代・家賃
◎9. 修繕費
◎10.事務用消耗品費
◎11.通信費・交通費
◎12.雑費
  13.その他(固定費・変動費 を判断)
   
一般管理費・販売費 計    
印は固定費・無印は変動費

前記の計算の結果、ある会社の直接原価計算方式による損益計算書が下記だったとします。
○ 直接原価計算方式による損益計算書              
                      (単位百万円)
   科  目 1  年 間 1 ヶ 月
 売上高 5、923 494
 変動費 4,421 368
 固定費 1,233 103
内減価償却費・諸引当
( 現金ベース固定費 )
   108
(1,128)
  9
(94)
  営業利益    269    23

 この企業では、事故や災害により売上がゼロになっても出ていく費用が、年間1,233百万円、減価償却費を除く現金ベースでは1、128百万円と計算されます。つまり売上がゼロになっても毎月平均94百万円のお金が出ていくことになるわけです。
 なお、損益計算書上の営業外損益・特別損益は考慮外となっている点ご留意下さい。細かい内容は「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」の上級コース「参考.4 直接原価方式による損益計算書の作成・計算手順」(参考62―68)をご覧下さい。詳細は次回にご説明致します。

http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/download/bcppdf/bcpguide_11b.pdf
 固定費と変動費の分解については、今は発行されていませんが、中小企業庁編平成15年度調査 「中小企業の原価指標」 (株式会社 同友館 ISBN 4-496-03706-8 ) P.11-14が参考になります。(前記上級コースに転記。)固定費か変動費かが不明な費用は固定費に算入しておけば固めの計算が出来ます。


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怪メールについて

2014年8月1日金曜日 | ラベル: |

 今回も「中小企業BCP(事業継続計画)策定運用指針」の「財務診断モデル」から脱線して、申し訳ありません。
 学士会のご斡旋で、7月31日(木)午後、よこすか芸術劇場に「Billy Vaughn オーケストラ」を聞きに行って来ました。ビリー・ヴォーンは1950年代後半から大活躍しました。私の大学時代から社会人なったころの青春時代のアメリカ音楽です。
 1986年 MCA RECORDS のカバーより。

 もう白髪のビリー・ヴォーンのお子様と孫娘が出演されていました。お子様と孫娘がオーケストラを守っているようです。
 昨年10月10日のウラディミール・ミーニン指揮「国立モスクワ合唱団」の記事でも書きましたが、聴衆には白髪の方が多く、今回は特に女性の姿が多いのが印象的でした。きっと同じ思いの方々だろうと思いました。浪路はるかに (Sail  Along  Silvery  Moon)、峠の幌馬車 (Wheels)など懐かしい曲ばかりでした。
 私は、今晩も1986年 MCA RECORDS のビリー・ヴォーンのCDを聞きながら、このブログを書いているのですが、今日のサウンドとオリジナルのビリー・ヴォーンのサウンドとは違っているというのが実感です。同じ楽器編成・同じ譜面だと思いますが、今日のサウンドは洗練されているというか、活気が足りません。特に「浪路はるかに」のギターにそう感じました。再び青春のサウンドを聞いて昔を思い出すことは出来ませんでしたが、素敵な音楽に暑さを忘れました。

〇怪メールについて
 7月29日(火)14時47分、下記のメールを受け取りました。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ 
~お客様への大切なお知らせ~
弊社は調査業務、情報管理及び和解手続き代行等を主とした調査機関でございます。
 本日ご連絡致しましたのは、現在貴方がご契約されている インターネット総合コンテンツ提供サービス会社からの通告を放置し、 利用料金を長期延滞している事に対し、起訴準備期間に入った事を報告致します。 
 本通知メール到着より、翌営業日(営業時間内)までにご連絡を 頂けない場合には、ご利用規約に伴い
 ①ご名義人調査開始
 ②各信用情報機関に対して個人情報の登録
  ③法的書類を準備作成の上、法的手続きの開始
 以上の手続きに入らせて頂きますので予めご了承下さい。
尚、法的手続きが開始されますと、管轄裁判所からの呼出状が発行され、執行官立ち会いのもと、給料、財産や不動産、有価証券等の差押さえを含めた強制執行となりますので、ご注意下さい。
最近、個人情報を悪用する業者の手口も見受けられますので、 万が一身に覚えのない場合でも、早急にご連絡下さい。
 ※メールでの返答には対応しておりませんのでご了承下さい。
 【お問い合わせ先】  〇〇〇〇〇リサーチ株式会社
顧客管理部 
 担当:〇原〇二・〇山〇子・〇井〇史
お問い合わせ番号:03-○○〇〇-○○〇〇
受付時間:10:00~19:00
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ 
 民事では「起訴準備期間」という言葉は使わないと思います。
 私には全く身に覚えがないことです。文中言葉巧みに、「最近、個人情報を悪用する業者の手口も見受けられますので、 万が一身に覚えのない場合でも、早急にご連絡下さい。」とありますが、うっかり素人が電話をすると、脅されたり、言いくるめられたりして、支払を余儀なくされることもあり得ると考えましたので放置しようと思い、念のため親しい弁護士さんに意見を求めました。彼は「それで良い。」とのことでしたが、ひとつだけ、所轄の警察署に事態を知らせた方が良いと忠告してくれました。
 早速所轄の港南警察署に電話しました。担当官にご報告に行きたいと申しましたところ、「既に同様のメールの報告を受けております。無視され、何かあったらご報告願います。」とのことでした。私は警察への報告は全く考えていなかったので、非常に反省させられました。因みに、ネットで検索したところ、全く同文のメールに関する記事がありました。
〇弁護士ドットコム
http://www.bengo4.com/internet/1069/1182/b_270380/
 初めての体験をご報告致します。

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